こんにちは、助産院ばぶばぶ・院長のHISAKOです。第二子妊娠がわかると「流産すると困るので断乳してください」と言われることが多いです。でも実は、正常な妊娠では授乳よる子宮収縮は流産、早産を引き起こさない、という事実が医学的に立証されています。
妊娠中の母乳の状態とは
妊娠すると生理的に母乳は分泌低下していきます。やがて胎盤が完成し、妊娠継続に大切な役割を果たす「プロゲステロン」が大量に分泌されます。これは、母乳を作るホルモンを抑制する作用を持っているので、いくら頻回に授乳を続けていたとしても、母乳ホルモンは休止モードになり、味も「ほんのり甘い」から「しょっぱい」に変化していきます。母乳量は、ほぼゼロになってしまう妊婦さんも珍しくはないです。
妊娠により母乳の分泌量がセーブされ気味なのに対し、1歳以上の長期授乳の上の子たちは吸う力そのものもバキューム級に強いので、乳管に掛かる負担が大きくなり痛みを生じることがあります。
おっぱい星人4タイプ
第一子の子がおっぱい好きの場合下記の4種のタイプがいます。
タイプ1)母乳が1日の栄養源の中で大きな比重を占めている子
タイプ2)栄養うんぬんより、母乳の味そのものをこよなく愛する子
タイプ3)おっぱいタイムを通してママに甘えているだけの子
タイプ4)おっぱいをくわえてチュクチュクする感触が好きな子
タイプ1・2のおっぱい星人は、そのまま自然卒乳してしまうパターン。それでも、乳輪の奥を柔らかく保つことに貢献していたはずであり、第二子出産までに天然の「産前おっぱいケア」と同等の状態を作り出します。臨月にはすでに左右とも数本ずつ乳腺開通している準備万端な状態でお産に臨めるという大きなメリットがあります。
タイプ3・4のおっぱい星人は、出ないおっぱいもおかまいなしです。ママは妊娠後期に向かってどんどん分泌が減っていくことに不安を感じるかもしれませんが、おっぱい星人が満足なのであれば深く考えず、飲ませてあげればいいと思います。
第二子は兄姉がメンテナンス済にしてくれた綺麗に舗装された道を、最初からかなり楽をして歩むことができます。なんの苦労もなく、飲みやすくておいしいおっぱいにありつけることでしょう。
著者:助産院ばぶばぶ院長 助産師HISAKO
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門『助産院ばぶばぶ』を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2014年10人目出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。
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