ベビーカレンダーは、多様化している家族のあり方=『新しい家族のカタチ』について発信する取り組みを開始しました。当事者のリアルな声を紹介していきます。多様な幸せを実現できる社会、そして、もっと「家族を持ちたい」「赤ちゃんを産みたい」と思う人が増える世の中づくりの一助となりますように。
義父の体調が悪化、義母も白内障に…
2年前の冬、義父がお風呂上がりにヒートショックを起こし、倒れてしまいました。その後、体調は坂を転がるように悪化し、今では起き上がりや歩行が困難に。入退院を繰り返しました。年齢も関係していたのでしょう。義父は免許を返納することになりました。
代わりに運転することになった義母は、免許は持っていても、運転には不慣れ。これまで義父に任せきりだった分、運転は不安だったようです。さらに、義母も白内障が判明し、私たちの手助けが必要になりました。
田舎は車が唯一の交通手段。病院の付き添いと買い物には車が必要です。最初は落ち込む義両親とどう関わり、助けるべきか、わかりませんでした。
働きながら車を出すことは厳しかった
義両親にはお米や野菜を毎月のようにもらい、お世話になっていました。今度は私が助けてあげたいという気持ちはありましたが、自宅から義両親の家まで車で約40分。それほど遠くないとはいえ、職場に迷惑をかけずに手助けするのは難しいことでした。
どうすればよいのか戸惑っていたところ、夫が「りえに迷惑をかけられない。俺に任せて」と言って、積極的に動いてくれたため、救われました。もっとも、夫は無職だったので時間があったということもあります。それからは、夫が実家へ通うことになりました。
夫が定期的に通うことで家族が円満に
夫が動いてくれていたものの、私自身が手助けできていなかったので、最初は義両親に対して「助けてあげられない」という罪悪感がありました。しかし、夫や義両親の様子をみていると、夫にお願いしてよかったなと思います。
その理由は、私に対してはどこか気を遣っている義両親も、自分たちの息子である夫に対しては「頼みごと」がしやすそうだったこと。そして、これまでは家に引きこもっているような毎日を過ごしていた夫にとっても、「両親に頼りにされている」ということが、「自分もしっかりしなくては」という夫の責任感を強め、また家族への愛情を深めてくれたように感じたからです。
私はこれまで、夫が無職ということで、夫を責めてばかりいました。しかし、義両親を支えてくれたことで見る目が変わりました。病院の付き添い、買い物を夫が担当するなど、義両親の手助けをすることは、夫が主夫だからこそできたことですが、けして簡単なことではないと思います。
いまは、こういう「家族のカタチ」をとれてよかったと感じています。夫は親孝行ができる、義両親は息子に甘えられる、私も仕事に集中できてストレスがないという、良いバランスを保ちながら過ごせているからです。わが家にとっては、これがちょうどよい「家族のカタチ」なのだと思います。
著者:Een082/女性・会社員。子どもなし、無職の夫あり。大黒柱として家計を支えるため、兼業Webライターとして活動中!
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています