「いつかあの時のやさしい彼に戻るかもしれない」と信じて我慢しつづけていた。
でも、夫は娘が生まれたあとも無関心のまま。すぐそばで娘が泣いていても、隣でスマホをいじっているような人になってしまった。
「夫が可愛がらなくったって、私がそのぶん愛情を注げばいい」と思っていたけれど、ずっと苦しかった。
よその幸せそうな家庭が、ずっと羨ましかった。
夫は子どもができてから、週末も仕事を優先して、家にいないことが増えた。家では娘を構うこともない。
外で見かける、子煩悩なパパたち。
子どもと遊んだり、お世話をしたりしている姿を見かけるたび、ずっと羨ましいと思っていた。
ほかのパパたちと同じように、パパも結と遊んだり、当たり前のようにお世話をしたり、ぎゅっと抱きしめたり……可愛がってほしかった。
最低限でいいから、結のこと、見てほしかった。
しかし、妻の当然の願いは娘が生まれて1年経っても、叶うことはなかった。
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