子どもが苦手な私たち
夫も私も子どもが苦手で、親戚の子とのコミュニケーションも最低限で済ませるほど。それでも道ですれ違う赤ちゃんを見て「かわいいね」と話すことくらいはあり、いつか私たち夫婦も子どもを持つことがあるのかもしれないなあとボンヤリ思っていたのですが、真剣に話し合いをしたことはありませんでした。
それでも私にはなんとなく、「結婚」の先には「子育て」というレールが敷かれていていて、当たり前にそうするものだという考えがあり、自分の年齢と産めそうな人数を逆算しては焦るばかり。
大きな選択
モヤモヤし続けるのもキツくなってきたある日、私はお酒の力を借りて、夫に「子どもについてどう思う?」と聞いてみました。
夫の答えは、「全然欲しいと思わない」というものでした。私はもともとそうやって自分の意見をハッキリと言う夫が好きで、このときはなんだかうれしくなったのと同時に、肩の荷が下りたような気がしたのです。
夫の気持ちを確認しつつも、その後私はまたひとり、冷静にたくさんのことを考えました。自分は本当に子どもが欲しくないのか、欲しいなら夫を説得するのか、それともまだ産めるうちに夫と別れるのか、そもそも自分の子どもが欲しいだけなのか、「夫の」子どもが欲しいのか。
人生を左右する重大な選択肢を並べて、何度も何度も自問自答したけれど、やっぱり私は夫と共に生活がしたいという気持ちが一番で、それは子どもの有無に左右されるものではありませんでした。
生き方にタイトルを
夫の気持ちを確認して多少スッキリした私でしたが、どこかフワフワとした、居場所のなさを感じていました。結婚したのに、あえて子どもを作らないなんて、「普通じゃない」ような気がしたのです。
ある日「結婚 子ども 作らない」とネットで検索をすると、「DINKs(ディンクス)」という概念に出会いました。ダブル・インカム・ノー・キッズ、「ふたつの収入・子どもなし」という意味を持つ言葉の頭文字をとったこの概念を知ったとき、私はやっと心の底から安心できた気がしたのです。
夫に「DINKs」について話すと、「そんなに収入もないけどな」と笑っていましたが、夫もどこかホッとしたような表情をしていました。子どもを持たないと「選択した」夫婦はたくさん存在して、その生き方に名前がついている。
それを知って心からホッとしたのは、私は子どもが欲しいというより、「自分の生き方がとんでもなく間違えているのでは」という不安から解放されたかっただけだったからなのかもしれません。
DINKsという言葉を作ってくれたどなたかに、私たち夫婦の居場所を守ってくれてありがとう、と感謝の気持ちでいっぱいです。これからも夫とふたり、ちゃんと話し合いをしながら、自分たちらしい人生を選択して、幸せに生きていきたいと思います。
著者/つちやです
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