生理後1週間以外はずっと不調
30歳で入社した新しい職場は、体力勝負の肉体労働。体が資本なのに、生理前や生理中は心身が疲弊しており、生理後の1週間ぐらいしか体調のいい日がありません。
頭痛、腹痛、イライラ、過食、疲れやすい、といった肉体面、衝動的で“怒と哀”の感情が抑えられない、死にたいと思う、人と関わりたくない、強い劣等感、他人からの視線が気になって常にビクビクしている、心と体にずっと重だるさがある、といった精神面、私はそのどちらにも不調を抱えていたのです。
生理が始まると精神的な症状は治まるのですが、今度は体力がなくなって、せっかくの休日も出かける意欲がわかず、起きていると憂うつなので1日中寝て過ごすことがほとんど。そのあと快調な生理後の1週間が過ぎたら、また諸症状に振り回される……。これの繰り返しです。
特にこのころは転職して間もないということもあって、さらにしんどく感じられ、精神的にも肉体的にも本当につらい時期でした。
産婦人科で相談すると…
そんなとき、職場のお客様に産婦人科の先生がいることを同僚から聞きました。そして、その方に相談にのってもらえることになり、先生がいる病院を受診。その結果、私はPMS(月経前症候群)であることがわかったのです。
ずっと「自分の何かがおかしい」とは感じていました。でも、その“何か”がわからなくてどうすることもできず……。当時はPMSの認知度が今ほど高くなく、私も婦人科を受診して初めて知りました。てっきり心の病気だと思い、はじめは心療内科を受診していたのです。原因が判明し、低用量ピルと漢方薬の服用という治療方針も決まったことは、停滞していた現状から一歩前進した思いでした。
PMSの症状が大幅改善!
時期ははっきり覚えてないのですが、ピルと漢方薬を飲み始めてしばらくすると、仕事をしていても疲れにくくなり、以前よりも体が動くように。そして、衝動的に泣きたくなったりイライラしたりすることが少しずつ減ってきました。服用開始から3カ月くらい経つと、それまで自分自身のことしか考えられなかったのに、周りの人を気づかえる心の余裕ができて、効果をはっきりと感じるようになりました。
また、ピルを服用し始めると、副作用として血栓ができやすいことがあると聞いたので、水分補給を多めにとるように。ただ、私にはとくに副作用は特になかったように思います。
逆に、ピル服用前は、ホルモンバランスの乱れから肌荒れも起こしていたようで、ピルを飲むようになったら皮膚科に通うほどひどかった肌荒れが治まって、私にはメリットのほうが大きかったです!
休日も有意義に過ごせるように!
でも私にとって一番のメリットは、気力と体力が出てきて前向きに過ごせるようになったこと! 仕事のモチベーションが上がり、休日に出かける意欲がわいて、買い物や恋愛が楽しめるようになりました! 実は治療前にお付き合いをしていた人がいたのですが、体調不良から一緒に出かける気力も体力もなく、会ってもホルモンバランスの乱れからいつも情緒不安定になってしまい、雰囲気がピリピリするばかり。結局その人とは別れてしまったのです。
PMSの治療を始めて5年。私はいろいろなところに出かけたり、新しい習い事にチャレンジしたりするまでになりました。さらに、 婚活も始めて、36歳のときに出会った人と結婚。現在、第一子を妊娠中です! 医師の指導やタイミングがよかったのか、ピルの服用を中断した翌月に子どもを授かりました。
PMSの治療を始めてから、生活のすべてが劇的に変わりました! 情緒不安定で体調不良を当たり前と思い、そのまま何もせずにいたら、今の私はいなかったと思います。生理前のイライラや激しい感情の起伏、体調が悪いと少しでも感じたなら、婦人科を受診するべきだなと感じました。
私が治療を始めたころに比べると、PMSのことも世間に広まっていると感じますし、婦人科にも通いやすくなっていると思います。私も、産後の様子を見ながらになりますが、PMSの治療は続けていく予定です!
監修/助産師REIKO
文/日向みのりさん
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