今回ご紹介するのは、里桜さんのケース。大学2年生の里桜さんには付き合って半年の、やさしい彼がいました。ある日、2人で夜を過ごしたあと、彼が「コンドームが破けてる……!」と言い出し、避妊に失敗したことを知ります。朝一番で緊急避妊薬を処方してもらうことができたのですが、副作用の激しい吐き気に苦しんだ里桜さん。また、効果が100%ではないと知り、その後も不安は拭えず……。
アフターピルの効果が100%ではないと知った里桜さんは、アフターピルの服用後も不安でたまりませんでした。そして2週間後、生理がきたのです。ようやくホッと安心できた里桜さんは、彼にも生理がきたことを報告。すると彼もホッとした表情を浮かべ、さらに里桜さんの体を心配してくれました。そして2人は今後このようなことがないようにしようと約束したのです。
避妊の失敗というトラブルが起きましたが、真摯に対応してくれ、ずっと寄り添ってくれていた彼には、改めて感謝をしたという里桜さん。彼とのお付き合いは、その後も続いているそうです。
アフターピルは「排卵を抑制して妊娠しないようにするホルモン剤」なので、いくら72時間以内であっても服用する前に排卵してしまったら、アフターピルで避妊をすることはできません。それどころか、排卵を抑制するホルモンは、排卵後になると子宮内膜が増殖するのを促進し、受精卵を着床しやすくさせてしまうため、服用タイミングによっては妊娠を助長させてしまうのです。そのため、緊急避妊薬とも呼ばれるアフターピルでも100%の避妊はできず、「アフターピルを飲んだから絶対に大丈夫!」とは言い切れないのです。
なお、コンドームによる避妊は、里桜さんたちのようにやぶれてしまうという失敗が起こることがあります。コンドームは性感染症予防には有効と言われていますが、避妊のためには、女性が主体となって避妊できる、ピルの服用や避妊リングとも呼ばれるIUD(子宮内避妊具)の使用のほうが、男性用の避妊具よりも失敗が少なく、避妊効果が高いと言われています。
原案/佐藤里桜
作画/小出ちゃこ
監修/助産師 REIKO
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