退院後は抗がん剤治療を受けるかどうか、病理検査の結果が出るまでのしばしの中休みの期間を過ごすことに。体力回復のため朝の散歩をおこないますが、立ったり座ったりの姿勢では数時間たつと下腹がむくんでしまうので、2時間おきに横になって休憩するという生活が続きました。
術後、浴槽につかるのは当分NGでしたが、シャワーはOKでした。シャワーのたびに生々しい手術痕を見てギョッとするとともに、手術痕をポジティブにも捉えているとりだまりさん。それはある友人が影響していて……。
おなかの手術痕を見て思うこと
子宮頸がんで子宮や卵巣を摘出すると、下腹部に20〜30cm近い傷が、残念ながら残ります。
ただ、私はこの傷痕が嫌ではありません。
無理しているわけではなく、「なかなか、かっこいい」と本気で思うのです。
というのも、ある友人に会ったからで……。
「手術の傷痕は、私を生かしてくれた勲章!」
そう教えてくれたSは、しんどいことも、嫌なことも、鼻で笑い飛ばして自力でキラキラに変えてしまう、最高に魅力的な友人でした。
彼女にそんなふうに言われた後は、脇腹のケロイド状の傷が本当に特別なものに見えて、「なんてかっこいい傷痕なんだ!」と思ったことを覚えています。
それに、彼女が大切な宝物を見せようと決めた仲間の1 人に、私を加えてくれたことが、ものすごくうれしかった。
その瞬間から、私にとっても彼女の傷痕は、彼女を生かしてくれている宝物になったのでした。
だから、私のおなかにも30cm近い大きな手術痕が残ったけれど、この傷は私にとって、同じくすごくかっこいいものです。
この先、医療技術が発達して、手術痕をきれいに消せるようになったとしても、絶対に消さないと思います。
それくらい気に入ってます。
だって、みんなが助けてくれて、私も頑張って、そんなことの象徴なので。
あのとき、友人のSがくれたキラキラは、20年近くたった今も、私の中に残っていて、ずっと私を助けてくれています。
友人Sさんのおかげで、自分の手術痕を勲章だと思えたと、とりだまりさん。そうポジティブに考えられるとりだまりさんも、とてもすてきですね。
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