多い日のタンポンを使っても…
水泳選手のトレーニングは、基本的に水中トレーニングと陸上トレーニング(陸トレ)の2つです。水中練習のときは、ほとんどの人がタンポンを利用しています。タンポンもナプキンと同じように、経血量によっていくつか種類があり、練習時間の長さや生理の日数によって使い分けている人がほとんど。
1回の練習時間は2~4時間で、練習直前にタンポンを入れてはいるものの、経血量が多い日には「多い日用」のタンポンでも吸収しきれないことも多く、水から上がった際、脚に経血が伝っている女子スイマーの姿を見ることもよくありました。
特に大会では数時間おきにレースがあり、タンポンを替えるタイミングを間違えると大失態……なんてことも。そんなときは、周りにばれないようにすっと教えたり、悪ふざけのふりして経血を流すべくバシャっと水をかけたりと、女子スイマー同士で協力し合うこともありました。
陸でのトレーニングは
競泳選手は水中練習の前に陸トレをすることが多いです。陸トレのときには、練習用の水着の上にジャージを着るのが一般的で、生理のときは陸トレのときから生理用品の仕込みが必要です。
王道の方法はタンポンを入れ、水着にナプキンを装着。陸トレが終わったら水着に着けていたナプキンを取って、タンポンだけの状態で水中練習に入ります。
そのほかにも、タンポンのみ、ナプキンのみ、生理のときはジャージの中を水着ではなくサニタリーパンツにする、などその時々によって工夫をしている人が多いようです。
ジャンプをするトレーニングやベンチプレスなど力を入れるトレーニングも多いので、力を入れた際に経血がドバッと出る場合が多いですが、私の場合は、陸トレの際はあまりモレの心配をしていませんでした。
最後の砦はピル!
全国大会や世界大会代表レベルになると、ピルを利用する人も増えてきます。私も引退前の2年ほどはピルを服用して生理をコントロールしていました。
せっかく大会に向けて順調に調子を上げられたのに、大切な大会当日に生理になると気分も体調も最悪……。そんなことがないように、ピルで事前に生理の日を調整するのです。
私の場合はピルを利用したことで、生理痛も経血量もかなり軽減されたので、とてもラクになりました。
なかなか知る機会がないであろう水泳選手の生理事情をご紹介しました。もう引退しているので、今はピルを使っていません。タンポンは慣れてしまえばとても快適なので、夜用ナプキンの代わりとして今でも就寝時に利用しています。
※タンポンの過度な長時間使用はトキシックショック症候群(急な発熱、吐き気、めまい、失神などの症状)を引き起こす可能性があるため、パッケージ等に記載されている時間や使用方法をしっかり守りましょう。
著者/高野あかり
監修/助産師 REIKO
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