「また手術するの?」娘が本音を言い始めて…
生まれてすぐから毎月のように通っていた口腔外科。
口唇手術、口蓋裂手術、修正手術と経て口腔外科に通う頻度も変わり、6歳になってからは診察も3カ月1回になりました。
矯正歯科で作られたフェイスマスクをつけるようになって1年。
上の顎も下の顎も同じくらいの位置になり、やや受け口気味だった歯並びが整ってきました。
この1年娘が慣れない矯正器具をしっかりつけて、改善に努めている姿勢を先生はとても褒めてくれました。
しかし……。
レントゲンでみると、娘の上顎左側の部分の骨の一部が欠損しているのが、ハッキリとわかり、小学校にあがったあとに骨移植の手術は避けられない。
レントゲンを元に説明する先生の言葉を聞いて、娘が思わず「手術はもう嫌だ」と落ち込みます。
すると先生は娘の目線に合わせてこう言いました。
先生は「半分は嫌で、半分が楽しみみたいな感じだから、それを聞くとワクワクしない?」と冗談めいて話すと、娘も「手術はワクワクしないよ!」と突っ込みを入れて
さきほどの空気ががらりと和やかになり2人は談笑します。
娘の目線に合わせて説明する先生の様子からこれまで私たち保護者主体で動いてきたことが、当事者の娘も含めた治療へと進みだしたことを感じました。
そして、先生は改めて私たち夫婦に目を向けてこう続けました。
口唇口蓋裂治療のために、今までも何度も乗り越えてきた手術。
次の手術は、より難しく、娘にとっても家族にとっても乗り越える課題が多く、そしてその後もまだまだ治療は続いていく……とのことでした。
今後自覚をもって治療に向かわなくてはならない娘に待ち構えている試練を親としてどう支え向き合うべきか、その不安と心配な気持ちはずっと拭えません。
しかし「乗り越えることが多いかもしれないけど、前向きなこともある」という言葉には小さな希望を感じて、とても勇気づけられました。
2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師REIKO