生理痛で動けない
子どものころ、母親は1カ月に3~4日寝込む日があり、その原因が生理痛だと知ったのは、「生理」について知った小学生のころでした。「生理は必ずおなかが痛くなり、動けなくなるんだ。私も大人になったらそうなるはずだけど、我慢できるかな。不安だ」と強く感じた覚えがあります。
その後、小学6年生で私にも初めての生理がくると、大人の仲間入りに喜ぶというよりも生理痛への恐怖心が強くありました。しかし、寝込むほどの痛みはなく拍子抜け。「これくらいの痛みなのか」と感じていましたが、次第に生理痛がつらくなってくるようになったのです。
高校生のころになると、生理中はおなかが痛くて動けず、登校しても保健室へ……なんてことも。「産婦人科に行ったほうがいいのでは」と保健室の先生に言われていましたが、子どもが産婦人科に行くなんてということが恥ずかしく、また母が家で寝込む姿を見ていたので、「生理痛は病院に行くほどではないんだ」と思っていて、ただただ我慢するしかなく……。
周りの友だちは産婦人科に。私は?
私の場合、生理痛がひどいのはほとんど毎月。年齢を重ねるうちに慣れるどころか耐えられなくなってきました。ただただ毎月の生理痛に耐えていた私でしたが、20歳を過ぎたころから、友だちが将来を考え産婦人科に行った話をちらほら聞くようになりました。
私自身「年齢を重ねてもまだ生理痛がつらい。もしかしたら病気の可能性もあるのでは?」と気にはしていたのですが、やっぱり産婦人科には「怖い」というイメージが強くあり、病院には行きたくない。どうしようと悩むしかなくて……。
しかし、ふとあることに気付いたのです。実は、友だちが「産婦人科を受診した」という話をしていたとき、その場にいた全員が受診へのマイナスな意見を口にしていなかったのです。その気付きで、背中を押されたような気がした私は受診を決め、すぐに産婦人科を予約。当日は、子宮頸がんの検査等、さまざまな検査を受けました。
低用量ピルとの出合い
ひと通りの検査が終了し、先生からは「月経困難症だ」と言われ、低用量ピルを飲み始めることを提案されました。私の中で低用量ピルといえば、保険適用ではないし費用負担がかなり大きいのでは……というイメージで不安に思っていましたが、月経困難症ということで保険適用が認められるとのことでした。
さっそく飲み始めると、私の体には合っており、生理痛も少し痛むかな?程度でまったくつらく感じることはなくなったのです。保険が適用されるとはいえ、薬代を払い続けることにはなりますが、それまでずっと手放せなかった鎮痛薬が必要なくなったので、それほどつらくはありませんでした。
低用量ピルを飲み始めてから、生理痛は激減し、生理のときも友だちと遊びに行けるようになり、貧血も改善。私にとって、まるで世界が変わったかのように思えました。
婦人科には高いハードルがあると思い込んでいて、つらかったのにもかかわらず、なかなか前に進むことができずにいました。あのとき病院に行くことを選ばなかったら、今も毎月苦しんでいたかもしれません。そして、婦人科を受診し、ピルと出合ったことで世界が変わったと思えるくらいいい効果がありました。あのとき勇気を出して受診した自分を褒めてあげたいです。
著者/河中彩
作画/おんたま
監修/助産師 REIKO
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