挨拶をしてすぐに抱いた違和感
菓子折りをお渡ししてご挨拶をすると、彼のお母さんは静かにお辞儀をしただけでした。私はお茶をいただきながら彼のおばあちゃんといろいろな話をしていたのですが、なぜかお母さんとは目が合いません。その後も彼のお母さんは、会話の輪に入らず、ただ聞かれたことに答えるのみ。彼のおばあちゃんがほとんど話しているという感じで、私はどこか居心地の悪さを感じました。
また、お渡しした菓子折りがその場にポツンと置かれていたことにも「普通は下げたりするものではないの?」とモヤモヤが止まりませんでしたが、気にしないようにしました。
結局、彼のお母さんは私に対して何も話しかけることもせず、目も合わせず……。私もとても緊張していたため、最初こそ気のせいかとも思っていましたが、考えれば考えるほど悲しくなってしまいました。
モヤモヤが悲しみに変わる
その帰りは、彼のお母さんとおばあちゃんにお見送りをされて、彼の車で私は実家まで送ってもらいました。彼は、自分の家族に私を紹介できた達成感で満足している様子。とても自分の不安を言える雰囲気ではありませんでした。
結婚後に同居するわけではありませんでしたが、私はこれからの結婚生活を考え、急に不安に。そして実家に帰った私は、実母の顔を見るなり急に涙が溢れてきてしまったのです。
彼に打ち明ける
そして「このままではダメだ」と思った私は、その日のうちに彼に自分の気持ちを打ち明けることにしました。
「結婚はしたいけれど、あなたのお母さんのことがわからない。私に対して興味がないのは構わない。でも、少なくとも嫁に入る、姓を変える側の気持ちとして不安がある」と感じていたことをすべて話しました。
それに対する彼の答えは、「母は他人にあまり興味がなく、人と話すことが苦手だから仕方ない」というものでした。しかし、彼のお母さんは普段接客業をしています。せめて、ビジネスライクな対応でもできないのかという気持ちでさらにモヤモヤしてしまいました。
彼との入籍はお互いの家に挨拶したひと月後に予定していましたが、このままでは彼のお母さんのことが気がかりで私の心がより不安定になってしまうと感じ、入籍の話を一旦ストップすることに。
その後、彼から彼の実家に私の不安を伝えてもらい、しこりを残しつつも和解しました。無事に結婚しましたが、やはり義母は今でも私と話そうとしてくれません。私から何度も歩み寄ろうと努力をしましたが、それでも義母の様子は変わらず……。
私の中でだんだんと苦痛になってきてしまったのでやめました。義母が冷たい理由はわからないままですが、会話が必要なときは夫が間に入ってくれるので問題はありません。私の歩み寄りが義母の負担になってしまうのも嫌なので、今は適度な距離感を保ちながら接しています。
著者/畑野ナツミ
イラスト/マメ美
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