犯人は、107号室に住むナナメさんだったのです。
ナナメさんは自分の庭に何度か女の子の人形が落ちていたのが気にくわず、「迷惑している」と主張。
つむ田さんは娘さんをベランダに出したこともなければ、家の中にある人形の数も減っていなかったと説明をしますが、ナナメさんに話が通じることありませんでした。
しかしその後、トナリさんの息子、ナゲル君がベランダの手すりによじ登り、庭に向かって人形を投げているところを目撃したつむ田さん。
ナゲル君にすぐ降りて部屋に入るよう指示を仰ぐと、慌ててトナリさんに報告しに行きます。
これまでの流れを話し、さらに「ナナメさんの誤解を解きたい」と要望を伝えるのですが、トナリさんは「やめてよ」と激怒!
「友達やめるわ」と言い放ち、思いっきりドアを閉められてしまったのでした。
その日以降、トナリさん達から無視される生活が続いたつむ田さん。
そんなある日のこと、ナナメさんが目の前にいきなり現れたかと思うと、「すまなかった」と謝罪し始めたのです。
さらに、「私と一緒に復讐するつもりはないか?」と提案。
しかし、つむ田さんがその提案に乗ることはありませんでした。
その後、ナナメさんが住人会議で、写真と資料をみんなに共有したことをキッカケに、トナリさんはママ友たちから孤立。
とうとう引っ越すという事態になってしまったのでした。
あの一件から、数十年後が経過して…
「トナリさんって隣の部屋をずっと賃貸に出してたけど、
最近旦那さんと戻ってきたんでしょ」
住人トラブルについて聞いていた娘のツム子さんが、
お母さんに問いかけます。
「そうなのよ……。ここ新築で買ったばかりなのに、
わざわざ引っ越すなんて勿体ないってみんな言ってたわよ。
あの件で居づらかったんじゃない?」
「戻ってきてからは嫌なことされてない?」
「廊下で挨拶されても無視されるくらいかなぁ?」
しかし、トナリさんもナナメさんも当時と全然変わっておらず、
呆れるつむ田さん。
「相変わらず、あの人たちは困った住人よ」
ため息交じりに思わずポロッと本音が漏れてしまうのでした。
トナリさん夫婦はまたこのマンションに戻ってきたわけですが、相変わらずトナリさんとナナメさんの相性の悪さは変わっていませんでした。しかし、同じマンションに住む仲間同士、きちんとみんながルールを守って、快適に暮らせるようになるといいですね。
◆「困った住人」はこれで連載終了です。短い間でしたが、ご愛読くださった皆さま、どうもありがとうございました!
-
前の話を読む36話
「…復讐。私は…」突然提案されたママ友への復讐。考えた末、出した結論は…!? #困った住人 36
-
最初から読む1話
「えっ!?」ポストを開けると1枚の紙が!突然の苦情の手紙に困惑… #困った住人 1