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「子どもを入信させないのはかわいそう」宗教2世の私が直面した結婚後の試練

私は生まれたときからある宗教に入信していました。家族はもちろん、親戚のほとんどが同じ宗教を信仰しています。「この人とならきっと大丈夫」と無宗教の彼と結婚をすることを決意したものの、私たち2人にさまざまな試練が待ち構えていたのです……。

「子どもを入信させないのはかわいそう」宗教2世の私が直面した結婚後の試練

 

無宗教の彼と結婚

彼とは20代のころ友人の紹介で出会いました。交際して数カ月が経ったある日、私は彼に宗教を信仰していること、両親や姉弟、親戚のほとんどは熱心な信者だと話しました。そして、私が宗教をコンプレックスに思いつつも棄教できないことを彼に伝えたのです。

 

すると彼は「子どもにさえ強要しなければ俺は気にしない。それも含めて君だ」と言ってくれました。カミングアウト後も交際は順調に進み、交際4年目で結婚することに。

 

彼の両親は私の事情を理解してくれましたが、問題は私の親でした。両親は「同じ宗教の人と結婚してほしかった」と無宗教の彼との結婚に猛反対。両親と私は喧嘩になりましたが、彼の説得のおかげで最終的には無事結婚を認めてもらうことができました。

 

結婚生活に付きまとう宗教と親

私の両親には「宗教の勧誘はもちろん、そういう話は一切しないでね」と念のため何度も伝えていて、両親も理解してくれている様子でした。

 

しかし、蓋を開けてみると夫と義両親に宗教の勧誘や、活動のことをわざわざ電話していたことがわかったのです。

 

また、私に子どもが生まれたとき「〇〇ちゃん(入信している実姉の子)はママとパパと一緒に朝のお経を唱えられるのよ。私ちゃんの子どもはいつ一緒にできるかな」「一緒に活動に行こう」「子どもを入信させないのはかわいそう」などと母から言われるようになったのです。

 

子どもが生まれてから気づく両親の異常さ

両親は宗教団体に毎年お金を寄付していましたが、両親からは「お金がないから」「女だから」という理由で、私は希望の専門学校への入学を認めてもらえず、高校卒業後すぐ働きました。

 

当時は特に何とも思っていませんでしたが、自分に子どもができてからは両親は異常だったと感じてしまうように。結婚をして親元を離れてからも、宗教を押し付けてくることや、両親の過去の言動を思い出すたびストレスで毎日涙が出てきました。

 

それでも幼いころから生活の一部となっている宗教をやめることはどうしてもできず……。精神的に不安定な私を見た夫は、私も私の両親のことも絶対に否定せず、話をよく聞いてくれたあと「今日までを振り返って、宗教をやってきてよかったと思うことが少しでも多いのであれば続けたらいいと俺は思うよ」という言葉をかけてくれました。

 

夫からすると何気ない言葉だったようですが、私はその言葉をきっかけに棄教の決意ができたのです。

 

 

当時は棄教することによくわからない罪悪感と喪失感で押しつぶされそうになりましたが、現在はあのときのことが嘘のように気持ちが軽くなっています。

 

また、宗教と両親のことを恨み続けることはしていません。夫のおかげで、宗教と生きた過去の自分、そして両親のことを受け入れることができたのですから。子どもにも胸を張って人生を生きていけるきっかけをくれた結婚生活を送ることができています。

 

著者/米久 熊代

 

 

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