トイレでナプキンを落として大惨事
私は、ナプキンを交換するのがとても苦手です。不器用なせいか、交換時にトイレでナプキンを落としてしまうことがよくあります。最初に失敗したのは小学5年生のときで、そのときはトイレットペーパーをナプキン代わりにしたのを覚えています。
それから数十年が経ったある日、私の人生史上最悪な失敗を起こしてしまいました。公衆トイレでのことです。なんと、ナプキンを交換しようと思ったときに、予備のナプキンが入っている巾着袋を便器の中へ落としてしまったのです!
私はいつも、便座へ座る前に巾着袋から新しいナプキンを取り出し、中腰の姿勢で古いナプキンを下着から外して新しい物と交換してから用を足すようにしています。このときは指に巾着袋のひもを引っ掛けた状態でナプキンの包装紙を外そうとして、ひもが指から外れて落ちてしまったのです。愕然としましたが、外にはトイレを待つ人で長蛇の列が……。
そこで、私は仕方なく用を足すのはあきらめてナプキンだけ交換し、便器に落としてしまった巾着袋を素手で取ろうと決心。しかし、不幸はこれで終わらなかったのです。
さらに不幸の連続で頭が真っ白に…
そのとき私は、これから交換する新しいナプキンを口にくわえていました。まずは使用済みのナプキンをゴミ箱に捨て、その新しいナプキンをつけようと思ったら床に向かって新しいナプキンが落ちていきました。落ちていくナプキンをつかみ取ろうとしてもすでに遅く、さらに慌てて落ちたナプキンをブーツで踏んでしまったのです。無惨にもトイレの床にべったりとテープが貼り付いてしまった、新品のナプキン。予備のナプキンは便器の中ですし、私にはもうナプキンがありません。頭が一瞬真っ白になり、気づいたときにははいていたデニムとトイレの床を経血で汚してしまっていました……。
とりあえずいったん便座に座り、とにかく落ち着こうと深呼吸をしました。扉の外では「ここ遅いね、下痢なのかな」と言う声が聞こえてきます。とても恥ずかしかったですし待っている人に申し訳なかったですが、開き直って一つひとつ問題を解決していくことに。
とことんツイてない私
私には、使える状態のナプキンがありません。一時的な解決策として、トイレットペーパーを分厚く折りたたみナプキンの代わりにして、トイレを出てから新しいナプキンを購入しようと思い立ちました。床はトイレットペーパーで拭けばいいですし、コートを着ていたのでデニムの経血汚れも隠せます。あとは落としたナプキンや巾着袋を取れば問題は解決するはず。落ち着いて考えれば、そんなに大ごとでもありません。
しかし、悪いことは重なるものでトイレットペーパーが切れていたのです。予備のトイレットペーパーもなく、またしても頭が真っ白になりましたが、バッグの中にハンカチがあるとすぐに気付きます。ところが、扉のフックに掛けていたハンドバッグを取ろうとすると、今度はバッグを床に落とし、バッグの中からハンカチを出そうと思ったら次はリップと財布を落とし、まるでコントのような状況にあきれました……が、ハンカチは落とさず下着にあてることができました。
結局、トイレットペーパーを隣の個室から持ってくるために一度外に出なければならず、床を経血で汚し、巾着袋を便器の中に落としたことがトイレを待っている人たちにバレてしまい、いたたまれなくなりました。とてもショッピングをする気にはなれず、そのまま私は帰路につきました。
大人になってから生理で失敗をするのはとても恥ずかしく、自分で思っている以上に精神的ダメージが大きいです。私にとって生理は苦痛でしかなく、30代になっても毎月の生理期間中はナプキン交換に失敗しないか緊張します。ナプキン交換が苦手で経血カップの使用も考えましたが、挿入方法を調べると不器用な自分には不向きに感じて断念してしまいました。生理がいつなくなるのかわかりませんが、早く解放されたいです。
著者/道端れいこ
作画/モリナガアメ
監修/助産師 松田玲子
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