教頭先生の話によるとレクトは、「ソウに殴られて、頬が腫れた。ソウからずっといじめを受けていた」と説明したようです。ソウから「レクトに突然殴りかかられた。以前から嫌がらせを受けていた」と聞いていたお母さん。教頭先生に説明しようとすると、お母さんの言葉を遮り、ソウに代わるよう言ってきました。
「親は口を挟むなってこと?」と、いら立つお母さん。ソウに「ありのままを話せばいいから」と教頭先生との電話を代わります。
「そもそも私は…!」後悔する母
「レクトくんてどんな子なんだろう。子どもも親もわからない」
ソウと教頭先生が話している間、トラブルの相手すら把握できない自分を責めるお母さん。
「ソウがこんな目にあってるのに、私はレクトくんを何も知らない」
「そもそも私は、知らなすぎだよ……!」
「お母さん、電話終わったよ」
考え込んでいるお母さんに、電話を終えたソウが声をかけます。
「ソウ、教頭先生はなんて?」
教頭先生の話では、ソウとレクトの話がまったく異なっていたようです。
「レクトはオレに殴られたって話してて。それだけじゃなくて、机に突っ伏してた理由もオレのせいだって……」
ソウはもちろん、お母さんも、まったく異なる主張をするレクトに、驚きを隠せないのでした。
「友だちに殴られそうになった息子が、先生から加害者だと疑われているかもしれない」と憤るも、相手の生徒について何も知らないことで、自分を責めるお母さん。親の目の届かない学校での生活を、すべて把握するのは難しいことです。しかし、子どもが困ったときに味方でいるためにも、日頃のコミュニケーションで、できる限り友だちとの関係など学校生活のことは知っておきたいですね。