息子を連れて保育園に登園したら…
いつもどおりの朝。私は息子を連れて保育園に登園しました。門をくぐったところで「おはよー」という声。振り向くとママ友とその子どもが後ろから歩いてくるところでした。ママ友の子どもは無言で近づいてくると……、突然「バシッ!」っと息子の背中を強く叩いたのです!
痛みとショックで泣き出す息子。一瞬何が起きたかわからずフリーズする私……。「ごめん! 大丈夫だった!?」。ママ友が慌てて私たちのほうへかけ寄ってきました。ママ友は息子の様子を気にかけてくれましたが、自分の子どもに注意する様子はなく、「あの子、今日は朝から機嫌が悪いのよ」。そう説明するママ友。息子はすぐに泣きやみましたが、私の中でモヤモヤした気持ちが膨らんでいきました。
ママ友の態度に怒りがおさまらない
「どうして、叩いたことを子どもに注意しないのだろう……」。その後も私の中でママ友に対する疑問がわいてきて、怒りへと変わっていきました。その日の保育園の帰りにママ友親子にばったり再会。「朝はごめんね。最近よく叩くのよ。この前も遊び場で他の子を叩いちゃって……でも子どもだから仕方ないよね」。
そう話すママ友の言葉に「子どもだから仕方ない? どういうこと?」と、怒りが増していく私。子どもたちは何事もなかったかのように楽しく遊んでおり、朝の出来事を引きずっているのは私だけでした。
ママ友に自分の気持ちを伝えてみた
気持ちが晴れないまま時は過ぎ、私はママ友親子と過ごすことがだんだん苦痛になっていきました。このままではいけないと思い、思い切って「その場で子どもにきちんと注意してほしかったこと」をママ友に伝えたのです。
私の言葉に驚くママ友でしたが素直に聞き入れてくれて、その日から子どもが手を出すと注意してくれるようになっていきました。態度を変えてくれたことがうれしかった反面、一度覚えた不信感を消すことはできず、そこへママ友家族の引っ越しも重なり私たちは疎遠になっていきました。
あれから5年以上たち、私は3人の子どもの母親になりました。今でもママ友に自分の気持ちを伝えたことが果たして正しかったのだろうかと考えることがあります。しかし、自分の子どもが暴力を受ける姿を見るのは悲しいですし、「子どもだから暴力をふるっても仕方ない」というママ友の考え方を受け入れることは私にはできませんでした。仲の良いママ友でも関係が壊れてしまうことがあるということを身をもって経験した出来事でした。私も自分の言動に気を付けていこうと思います。
イラストレーター/miyuka
著者:小林ゆかこ
8歳、5歳、1歳の3児のママで現在育休中。Instagramに育児絵日記を投稿中。