急にそんな言い方しなくても
2021年3月、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、買い物をするため生後7カ月の娘を抱っこして近所のスーパーへ。体調に異常はなく、マスクもしっかり着用して買い物をしていました。ところが、買い物中急に喉がつかえる感覚があり「咳払いをしたい!」と思った私。コロナ禍なのでためらいましたが我慢できず、小さく1度咳をしました。すると、近くにいた60代くらいの見知らぬおばさんが「汚い!」と言ってきたのです。
マスクをしているうえに大きな咳ではなかったので、私に向けられた言葉だとは思わず、気にすることなくおばさんの横を通り過ぎました。ところが、おばさんは後をついてきて、自分のカートを私の前に突き出し「あなた、さっき私の近くで咳をしましたよね……。汚いでしょう!」と非難してきたのです。咳が出たことは事実ですが、そのおばさんに向かって咳をしたわけではありません。
ただ、こちらは赤ちゃんを連れています。そして相手は、カートをぶつける勢いで来て、見ず知らずの人に非難してきたおばさん。そんな人に応戦したら「抱っこひもを引っ張られたり、体当たりされたりするのでは?」という思考が駆け巡りました。そうなると、わが子に危害が及びかねません。悔しい気持ちをグッと抑え、何も言い返さずにその場を後にしました。
このエピソードを友だちに話すと、「コロナ禍でみんな必要以上に過敏になっているだけだから、気にしなくていいよ!」と言ってくれ気持ちがスッキリしました。病気にかかりたくなくて、ナーバスになる気持ちはわかります。でも、今回遭遇したおばさんのように非難することは良くないと思った出来事でした。
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作画/うめたま堂本舗
著者:中村 ひとか
6歳と2歳の子どもを持つ30代後半のワーママ。元気すぎる子どもたちの育児と仕事の両立に、毎日てんてこまい。心配性な一面があり、不安を感じたら検索魔に大変身。