新しい年が始まり、1年の計画や目標を立てた方もいると思います。家計の見直しや節約を目標とする方は、何度かコラムでもお伝えしていることですが、収入-支出=貯蓄でなく、収入-貯蓄=支出を心がけてください。
そのためにも毎月決まった金額を積み立てることをおすすめしていますが、3つほどその方法をご紹介していきます。
1.積立預金・積立定期預金
金融機関によって名称は異なりますが、毎月決まった金額を定期預金などに積み立てるものです。
積立金額も金融機関によって異なりますが、最低金額は1000円~1万円の間であることが多いです。低金利の状況ですので、利息はほとんど期待できませんが、ひとつの金融機関に対し、1000万円の元本は保証され、原則中途で解約しても元本は確保されることがほとんどです。そのため、リスクの低い積立方法です。決まった期間に決まった金額を貯めるのに向いています。
積立預金・積立定期預金とは異なる、外貨預金や仕組預金などの預金もありますが、この2つは、普通預金・定期預金・積立預金等より高金利であることも多いのが特徴です。ただ、中途解約の制限や元本が確保されないなどのデメリットも存在するので、どのようなものか理解して選択するようにしましょう。
2.学資保険・貯蓄性のある保険
学資保険や貯蓄性のある、保険(養老保険・終身保険など)で積み立てる方法です。生命保険ですので、対象の親御さんが亡くなっても積立額が確保される一方で、早期の中途解約をした場合には、元本を下回ることが多いので、お子さんの高校や大学の進学費用など使う時期が決まっていて、早い時期に取り崩すことがない用途に向いています。
多くの保険会社で今年(2017年)4月から保険料を値上げすることが予定されていますので、学資保険・貯蓄性のある保険を検討されている方は、早めに検討をされるといいでしょう。
また、アメリカドルやオーストラリアドルなどの外貨で運用される保険や株式・債券などを選ぶ変額保険は、低金利の中であっても、運用が順調に行くと普通の保険より大きな利回りが期待できる一方、運用がうまく行かない場合、想定より低い結果になることもあります。そのため、リスクとリターンをしっかり検討したうえで選ぶようにしましょう。
3.NISA口座での投信積立・iDeCo(個人型確定拠出年金)
税制の優遇を受けながら、毎月決まった金額を積立運用する方法です。
NISA口座での積立運用は、最低月額は1000円~1万円の間であることが多く、iDeCoでの最低月額は5000円です。iDeCoの選択肢に定期預金はあるので、それを選ぶと元本は原則確保されますが、NISAでもiDeCoでも多くは投資信託や株式の値動きのある運用をすることが前提です。そのため、余裕資金で、使う時期が老後や10年以上先で数年前後してもいいなど、時間をかけて元本以上に増やす目的のものに向いています。
また、投資信託はリスク・リターンの高いもの(上下の幅が年20%を超えるもの)もあれば、あまり高くないもの(上下の幅が年1~3%程度のもの)もありますので、経験や目的などに応じて選ぶといいですよ。
◆NISAについては、「ジュニアだけではない? NISA口座の活用法」
◆iDeCoについては、「2017年1月から対象者が広がるiDeCo(イデコ)って何?」
こちらも参考にしてください。
いずれの積立にしても、無理のない継続できる金額を前提としながらも、将来の目標がある場合は必要額を計算して積み立てる額を決めることも考えてみましょう。自分の考えや目的に応じで選んでみてください。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。