ひどい生理痛を抱えながらの接客業務
私は10代のころから生理痛が重いほうで、20代に入ると症状がさらにひどくなりました。
そんな私の仕事は接客業務です。表の接客業務とバックヤードでの裏方業務、きちっとしたローテーションはないのですが、60代の女性2人と私、3人で交代しながら業務にあたっています。
60代の女性のうち1人は初潮から閉経まで生理痛が軽く、ほとんど痛みはなかったそう。もう1人は20代~30代のころにひどい生理痛を抱えていて、病院で痛み止めの注射を打ってもらうほど、つらい時期があったそう。だから私の体調も気づかってくれ、「つらさ、わかるよ~」と声をかけてくれたり、「休んでていいよ~。無理しないでね~」と言って業務を少し休ませてくれたりして、以前からとても助けられていました。
生理痛がほぼなかった人も「大丈夫?」と声がけはしてくれます。でも、あくまで言葉をかけてくれるだけ。業務は、布を畳む、紙を切るなど、座ってできるラクな裏方仕事ばかり引き受けて、お客様の前に立つ表の仕事は極力避けるのです……。
生理痛に理解があったはずの女性が…
そんなある日、生理痛がとても重く、鎮痛薬を飲んでもあまり効かなくて、おなかと腰が痛くて気分がしんどいときがありました。3人全員でお客様対応の業務にあたるとき、あらかじめ「今日は生理痛がつらい」ということは2人に伝えていました。
ところが、1人だけお客様の前に立つ時間帯になった途端、私を残して2人が表から下がり、しれっと裏方の仕事を始めたのです! 「えーっ、私に押し付けるの!?」と、あまりにつらく悲しくなったので、私はやんわり「生理痛がつらいから裏方の仕事をしたい」と、2人に相談してみました。
すると、生理痛がほとんどなかった女性から、「若い子が前に出てたほうがいいのよ~」と流されてしまったのです。「いやいや~、私よりも仕事に慣れた人が対応したほうがいいですよ~」なんて軽く反論してみたのですが、これもきれいにスルーされました。
もっとショックだったのは、そのあと生理痛経験者の言動です。その人も裏方業務でラクをしたかったのか、同僚の女性が放った言葉に「そうよね~」と同調したのです! 生理痛が軽かった人に、このつらさを理解してもらえないのは仕方ないことかもしれません。でも、生理痛経験者ならわかってくれると思っていたのに……。手のひらを返されたような気分でした。
そのあとは結局、生理痛に耐えながら私が接客業務を担当しました。悲しいですが、生理痛など個人差があるものは、いくら女性同士であってもわかり合うことは難しいのかもしれません。社会は持ちつ持たれつで成立していくものだと思いますし、もっと生理について理解と寛容のある世界になってほしいです。
監修/助産師 松田玲子
文/伊藤あーちゃんさん
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