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人によって更年期症状の程度が違うのはどうして?太っているとつらいの? 【医師監修】

アラフィフの友だちと更年期症状について話すと、それぞれ出ている程度が違うことに驚きます。同じ年齢なのになぜ重い、軽いという違いが生じるのでしょうか。体形の違いも関係あるのでしょうか。産婦人科医の駒形依子先生に教えてもらいました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師駒形依子 先生
産婦人科 | こまがた医院院長

東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
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更年期症状の根本要因は女性ホルモン低下

最初に、更年期症状とは何なのか、なぜ起きるのかを知ることから始めましょう。

 

「生理が終わる閉経の平均年齢は50.5歳とされていますが、この閉経の前5年、後5年を合わせた10年間を更年期と呼んでいます。更年期にはさまざまな体調不良が現れますが、それを更年期症状と呼びます

 

更年期にさまざまな症状が現れるのは、加齢により卵巣の機能が弱り、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌が減少することが原因です。特にエストロゲンの減少は著しく、不足するとホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、発汗など)をはじめ、イライラや落ち込みといった精神症状などさまざまな体の不調を引き起こします」(駒形先生)

 

更年期症状が起こる原因は女性ホルモンの低下。しかし、症状の程度に個人差があるのはどうしてなのでしょうか。

 

まずは生活環境、次に性格

更年期がつらい女性

 

更年期症状の程度の違いの原因として、まずは生活環境、次に性格の違いにあると駒形先生は言います。

 

40代女性は家事、仕事、育児、時には介護と一番忙しい世代であると同時に生活環境の違いが大きい世代でもあります。結婚か独身か、仕事があるかないか、子どもがいるかいないか、親と同居か別居など、それぞれ違うライフスタイルがあります。環境によるストレスと女性ホルモンは密接に関わっています」(駒形先生)

 

しかし、似たような環境でも、ストレスに弱い人のほうが更年期症状を感じやすいそうです。

 

「つらい症状があっても、気付くか気付かないかという性格の差があります。一般的にはまじめでこだわりが強く、几帳面、神経質、完全主義といった傾向にある女性が更年期症状に敏感に反応するようです」(駒形先生)

 

また、パートナーとコミュニケーションが取れている、周囲に相談できる人がいるといった環境にある人は更年期症状を乗り越えやすいということです。

 

 

太っていると更年期症状がつらい?

体重計の前にいるぽっちゃりした女性

 

更年期症状の中でも代表的なホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)。痩せている人より太っている人のほうが汗をかきやすいイメージですが、太っていると更年期症状は強く出るのでしょうか。

 

「更年期症状には倦怠感もありますが、太っている人は痩せている人よりも脂肪を抱えている分、より疲れを感じやすいと言えます。ただ、一方太っている人は普段から汗をよくかくので、ホットフラッシュが起きても気付かない場合も多いようです。

 

ただ、痩せているから良いということはありません。エストロゲンが低下することで閉経以降は骨粗しょう症になりやすくなりますが、 痩せていると骨への負担が少ない分、骨折のリスクが高まります。 骨は負荷がかかればかかるほど強くなる性質があるからです。

 

また、エストロゲンが低下すると細胞のターンオーバーも低下するので、骨を支える筋肉の質も落ちてしまいます。体質的に太れないという人もいますが、体重を増やせなくても筋トレなどで筋肉の質を上げることが骨粗しょう症予防につながります」(駒形先生)

 

 太っていても、痩せていても、更年期世代は筋トレが必要な世代と言えそうです。

 

まとめ

生活環境を変えるのはなかなか難しくても、考え方や捉え方を前向きにするだけで症状が軽くできると知って、少し安心しました。そして、更年期世代こそ筋トレが必要という話は運動嫌いの私にとって耳が痛いですが、なんとか楽しくできる方法を見つけていきたいです。

 

イラスト/村澤綾香

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

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取材・文/mido

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