海外勤務のバリキャリ→田舎で地域おこし
本当の自分が見えていなかった人付き合い
2021年まで海外の営業職で駆け抜けていたころ、できる限り多くの日系企業の人とつながりを持つために、積極的に異業種交流会や飲み会などに参加して、名刺を配りまくっていた時期がありました。もちろん、気が合わない人や会話がかみ合わない人はいましたが、仕事だと割り切り適当な会話と愛想笑いを繰り返しながら……。
海外の日本人コミュニティでは、つながりを持つことで仕事上、有利に働くことが多くあったため、人脈を広げることに躍起になり、友人や知人から「〇〇さん知っているよ、紹介しようか?」と言われれば駆けつけ、連日連夜の食事会や休日のゴルフなど、オンとオフの境目がない日々を送っていました。
そんなやり取りを心の中ではストレスに感じながらも、日本人のコミュニティに属し多くの知り合いを持つことで、今思えば安心感を得ていた部分もあったように思います。
自分の本当の居場所ってどこ?
連日、食事会などに参加したことで人脈を広げることができ、そのおかげで仕事もそこそこ順調でした。さらに、いろいろな方から食事やゴルフの誘いを受けるようになり、自分なりに充実した生活を送っていたかと思います。ただ、相変わらずの社交辞令的な会話のままで何となく違和感を覚えながら……。
それでも海外でポツンとひとりでいるよりはよっぽどマシだと思い、いろいろな人と交流を続けていたけれど、どこに行っても知り合いに会ってしまうことがだんだんとストレスに変わっていきました。どこに行っても会社の看板がちらつく生活で、「自分の本当の居場所ってどこだろう?」という思いが、ふつふつと湧いてきたのもこのころです。
海外の日本人コミュニティは、良くも悪くも人との距離が近いため、濃い日本人同士のつながりが日常にあるのが現実。楽しんでいたはずの日本人の集まりがだんだん面倒くさくなり、プライベートな時間ではあえて日本人がいない場所を選び、仕事以外は徐々に日本人コミュニティを避けるような生活になっていきました。
田舎暮らしで淘汰された人付き合い
コロナ禍の真っただ中に日本に思い切って帰国し、今までとはまったく違う地域おこしの仕事に飛び込んで初めての田舎暮らしに挑戦。
物理的な距離感から会えなくなった友人や知人は多くいましたが、コロナ禍のおかげでかえってネットでつながる生活が多くなり、近しい友人や知人とは今まで以上にオンラインやSNSで近況を報告し合うようになりました。
結局、お互いの距離感や会う頻度は、友人関係にそれほど影響なく、つながれる人、つながれない人が徐々に淘汰されていったよう。考えようによっては、人付き合いがスリム化されたことで、長く付き合える人間関係がより強く築けた気もしています。
田舎にライフシフトをして不便になったおかげで、自分と向き合う時間が増えたことが大きな収穫です。何よりも、都会の生活圏では巡り合えないような、現役バリバリの70歳、80歳過ぎの田舎のお父さんやお母さんの「生きる力」が、最大の学びとなりました。
誘惑や雑音がない田舎暮らしで自分の時間を大切にする余裕が生まれたことで、あえて手紙を書く、電話をするなどの丁寧な付き合いを改めて始めています。
まとめ
「環境が変われば人生が変わる」ことを身をもって体感したことで、多くの気付きや学びがありました。今思えば以前の私は、「海外でバリバリ働いている営業ウーマン」の自分に酔っていただけで、忙しさにかまけて自分自身をきちんと見つめる余裕がなかった気がします。
現状にもやもやしながらも違う世界に飛び込むのは勇気のいることだけど、「人生やってみなくてはわからない」ことばかりなので、「1.先ずはやってみる」「2.その先はやりながら考える」ことを、自分の負担にならない程度にゆる~く実行しています。環境、習慣、人間関係を変えたことで、より自分らしくいられる場所を見つけられました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
マンガ/きびのあやとら
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著者:いずみ
独身。コロナ禍を機に、人生における健康の大事さを実感し、里山に移住し田舎暮らしを楽しんでいる。