思いがけず早かった初潮
私は生理の授業を受ける前、小学5年生になる春休みに初潮がきました。父子家庭で弟と父との3人暮らしだったこともあり、生理について何も知らない状態で急に出血して、とても怖かったのを覚えています。
朝起きると軽い腹痛があり、トイレに行くとショーツに茶色い経血がついていました。何かの病気だと思いましたが、父に話す勇気はなく、ただひとりで不安になるばかりでした。
母の代わりに相談した人は
トイレに行くたびに血が出るので、トイレットペーパーを何枚も重ねてショーツに当てて応急処置をしました。しかし、このままではどうしようもありません。そこで相談相手に思い浮かんだのが、近所の薬屋のおばちゃんです。私たちが父子家庭であることを知っていて、おばちゃんはいつも親切にしてくれるのです。
思い悩んだ私は、おばちゃんに相談してみようと思い立ち、さっそくおばちゃんのもとへと向かいました。「急に出血したんだけど、どうしたらいい? 病気かな?」と話しているうちに、ため込んでいた不安が爆発して、涙が溢れ出てしまう私。
私の肩をさすりながら、おばちゃんは「大丈夫。それは生理がきたんだよ。おめでたいことだよ。大人になった証拠なの」と教えてくれました。「大人になった証拠」というひと言のおかげで、恐怖が誇りに変わったのを覚えています。
そのあと、おばちゃんは薬屋に並んでいた新品の生理用ナプキンを自分のお金で購入してくれ、その中から2つほどナプキンを私に手渡してくれて、使い方もていねいに教えてくれました。
薬屋のおばちゃんには感謝しかありません。父子家庭の私は初潮を迎えても赤飯を炊いてもらうことはありませんでしたが、おばちゃんのおかげで寂しさは感じず、むしろ彼女のやさしさに心があたたかくなりました。今はもう更年期を迎えようとしていますが、あのときのおばちゃんのやさしさを忘れることはないでしょう。
著者/矢野まちこ
作画/モリナガアメ
監修/助産師 松田玲子
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