習い事の英会話教室
私は20歳のとき、10代から30代の幅広い年齢の方が集まる英会話教室に通っていました。先生1人に対し、生徒は男女合計で10人くらいのクラスです。
通い始めて間もなかった私は、まだクラスになじめずにいました。周囲の人とあいさつはするものの、休憩中はひとりで予習復習するような時間を過ごしていたのです。
そんなとき、ある事件が起こりました——。
授業終わりに事件が!
英会話の授業が終わり、15分間の休憩時間のこと。私が席に座っていると、同世代の女の子が私の隣に座っていたその子の友だちに駆け寄って……。「さっき椅子に座ったら、椅子が濡れてたんだよね〜。あなたは大丈夫だった?」と友だちにも自分の洋服を確認するよう言っていて、友だちはその女の子のスカートを心配しながら「私は大丈夫みたい」と答えました。
2人の会話を聞いた私は「私の椅子も濡れているかも!」と心配になり、自分が座っている椅子を確認しました。すると、座面部分にうっすらと赤いシミがついていたのです!
「血だ! もしかして生理始まった!?」「濡れてたのって、さっき私が座っていた椅子かも……」とパニックに! 状況を確認するために、私はすぐさまトイレに駆け込みました。
幸いにも…
トイレの個室でショーツを確認すると、予想通り生理がきていました。予定日より10日ほど早い生理開始で「ナプキン持ってない……どうしよう」と私が慌てていると、トイレの洗面台に「ご自由にどうぞ」と書かれたメモとナプキンが置いてあるのを発見! ナプキンはメモとともにポンと置かれていただけで、「ナプキンが置いてあるトイレなんてめずらしいな」と思いながらも、今回はそれを使わせてもらうことにしました。
はいていたスカートにも経血漏れしていましたが、幸いにもスカートは暗い色だったため、水で軽く洗うとシミは目立たなくなりました。
その後はそーっと教室に戻り、誰にも気づかれないように椅子の座る部分を拭く作業に取りかかりました。ブラスチックのツルツルした椅子だったため、きれいに拭きとることができて、ホッとしたのを今でも覚えています。
「椅子が濡れていた」とクラスの女の子が言っていたことについて、その正体はなんだったのかはわかりません。しかし、「もしかして……私のスカートが汚れているのを見つけて、気づくように誘導してくれたのかな」とも思いました。
また、私のピンチを救ってくれた洗面台のナプキンも、設置されていたのはあのときだけ。私は「もしかして、あの子が私を気づかって用意してくれたのかも。もし、同じような場面に遭遇したら、私も困っている人を助けてあげたいな」という気持ちになったのでした。
著者/澤田日葵
イラスト/かたくりこ
監修/助産師 松田玲子
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!