ホットフラッシュと息切れで眠れない日も
悪化するホットフラッシュにただ耐える
コロナ禍でマスク生活が始まると、以前は気にならなかったマスクがたまらなく息苦しく感じ始めました。突然大量の汗が出てきて、電車でたった1駅の通勤で、会社に着くと下着まで全部着替えなければならないほど。冬になるとさらに悪化し、1日200回を超えるホットフラッシュと同時に、全力疾走した後のようにハアハアと息苦しくなるのです。
冬でも半袖でベランダに出て涼み、夜は掛け布団をめくって、窓を全開にして休みました。強烈なほてりと息苦しさでまったく眠れない日々が続きました。当然昼間は、仕事中にうとうとしたり、運転中にヒヤッとしたり。
更年期は病気じゃないと知りつつも「本当にこれが更年期? 誰か助けて! 」と心の中で叫んでいました。つらくて横になっても容赦なく襲ってくる症状に、いつの間にか笑顔も消え、人と会うのが億劫(おっくう)になっていました。
婦人科で更年期と診断。漢方治療に期待!
あまりのつらさに、友人のすすめで婦人科に行くことにしました。血液検査・尿検査の結果から、やはり更年期との診断。「まずは、漢方薬を試してみましょうか」ということで、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」を処方されました。
「これで少しはラクになるかも」とワクワクしながら1日3回の服用を開始。しばらくすると、食が細かった私はごはんが食べられなくなり、毎日漢方だけを口にするという状態が続きました。
ホットフラッシュにも特に変化が見られず、もう一度先生に相談したかったのですが、2カ月先まで予約がいっぱい。諦めてその後は市販薬やサプリを飲み、婦人科系のツボにおきゅうをするなど、自分で試せるものは何でも試しました。
思い切って始めたホルモン補充療法
休みなく襲ってくる息苦しさとホットフラッシュに心も体も悲鳴を上げ始め、ある日「もう1日も耐えられない」と、会社を早退し近くの婦人科に飛び込みました。追い詰められていた私は「もう1日たりとも我慢できない。漢方も効かない。まったく眠れていない。ホルモン補充療法を今すぐやりたい! 」と必死に訴えました。
先生は話をひと通り聞いた後、健康診断で異常がなかったこともあり、子宮体がん検診をした上で2週間分のエストロゲン(貼り薬)と黄体ホルモン(飲み薬)の薬を処方してくれました。ついにホルモン補充療法のスタートです。
服用を始めて2日目の夜、なんと数カ月ぶりに朝までぐっすり眠ることができたのです。「朝、眠りから覚める」という久々の感覚に、思わず胸が熱くなり気が付けば涙があふれていました。
次の日も、その次の日も、毎日6~7時間連続して眠れるようになり、同時に昼間の激しい息苦しさとホットフラッシュも少しずつ改善されていきました。こうして私のつらい更年期症状はみるみる消えていったのです。現在治療を始めて半年、たまに頭痛やめまいはありますが、夢にまで見た平穏な日々が戻ってきたのです。
副作用と今後のリスクへの対応
ホルモン補充療法の効果には満足していたものの、当初はおなかに出た発疹や結膜下出血を薬のせいだと思い込み、大騒ぎして先生を困らせました。
実際、副作用と思われる症状も多少あります。例えば、生理2日目ぐらいの出血が1カ月以上続く、2週間以上便秘が続く、胸がパンパンに張って痛いなど。出血は薬の飲み方を変えると改善され、便秘はしばらくすると自然に治りました。
胸の張りは今も続いていますが、我慢できないほどではありません。今後は子宮体がん、乳がん、血栓などのリスクを考慮し、半年に一度検査を実施、様子を見ながら続けていきたいと思っています。
まとめ
私の場合、娘が成人し「さあこれから何をしよう」と意気込んでいたところで更年期に突入。想像をはるかに超えた苦しさに疲れ果てていました。
母親の影響で、ホルモン補充療法に否定的だった私は、わらにもすがる思いで始めたこの治療法に救われました。今では元気を取り戻し、50代にして会社員を辞め、フリーランスの世界に挑戦しながら趣味も楽しんでいます。
私の更年期はまだ始まったばかりです。このまま何もなく終わるのか、またつらい日々が待っているのかわかりません。今のうちに好きなことをして、生活習慣を見直し未来に備えるつもりです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
マンガ/山口がたこ
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著者:R.S.
30代で出産し子育てと仕事に奔走すること早20年。50代に入り更年期の症状で仕事も手につかない状態に。ホルモン補充療法を始め元気を取り戻したことで、思い切って会社員を辞めフリーランスに転身した。趣味はフラダンスと愛犬の散歩!