「Sにひどいことをしたんだから、ごめんなさいを言ってよ」と、Sさんの兄に身に覚えのないことを言われたケイくん。
正直に「分からないよ……」と答えたところ、「分からないとかはナシだよ。それは「嘘つき」で、ケイくんは悪い人間になるからね?」と詰められたそう。
Sさんに「日ごろからケイくんにひどいことを言われている」と聞いたという兄は、事実確認もせず、直接ケイくんに謝罪を強要したのでした。
この一連の話をふくこさんと一緒に聞いて、憤慨したケイくんの兄たちは……。
冷静になれ、そして考えろ
「もしケイが小2の女の子で、成人の男性が個人的に呼び出して接触をしたら……」
小5のツトムくん、中3のハルくんは憤り、今回の事態の深刻さについて例え話を用いながら考えてくれました。
その話の流れで、ハルくんはあと3年で成人だと気づき、ツトムくんも「俺たち、大人になれるかねぇ……」と言い出します。2人の話を聞きながら、ケイくんは気が紛れたのか、少し笑っていたのだそうです。
ふくこさんは、「当事者以外の身近な誰かが、起きたことを分析し、共感や怒りの感情をあらわに代弁してくれたことで、ケイや私は一時的に冷静さを少し取り戻せた気がします」と振り返ります。
――自分の気持ちを、信頼できる身近な誰かが共感してくれる。
これはすごく心強いことです。
身近な人が困ったり悩んだりしているとき、まずは共感することで、心の負担を少し軽くできるのかもしれません。
そんなことを自然とできるツトムくんとハルくんは、ふくこさん一家にとって、とても大きな存在ですね。