息子くんの素直なやさしさに触れて、シィさんも自然と「こっちこそごめんね」という言葉が出てきます。息子くんはにこやかに許してくれて、また娘ちゃんと遊びだしました。
しかし、エーコさんはまだ不満そうな顔。
「何よ……。こっちが悪いっていうの? 子どものすることだし、チューくらいかわいいものじゃん。気にするようなことじゃないでしょ」と蒸し返します。
「そうだね。私が気にし過ぎる部分もあると思う。でも、子どものすることだから気にしないでって、する側が言うことじゃないと思う!」
「娘がかわいそうとかいろいろ言っていたけど、私にも考えがあってしていることだから、私の育児に口出さないでくれる?」
これまで、エーコさんからのさまざまなダメ出しにモヤモヤしていたシィさんは、はっきりと反論。
シィさんに言い返されて、あからさまに不機嫌な態度になったエーコさんは……。
「言っておきたいことがあるんだけど…」
学生時代から都合が悪くなると不機嫌オーラを出していたエーコさん。
当時はその姿に周りが気をつかっていたのですが、怒ったシィさんは「もう知らない! 子どもじゃあるまいし」と放っておきます。
エーコさんと息子くんが帰る時間になり、大人同士のギスギスは子どもには無関係なので、シィさんは息子くんにお礼を言いました。
すると「帰る前に、言っておきたいことがあるんだけど」とエーコさんが口を開き、また何か言われるのではと身構えるシィさん。
エーコさんは少し黙ったあと、「ごめんね。いろいろ気に触ること言ったし。帰る前に謝らないとと思って……」と続けます。
プライドが高いエーコさんが真剣に謝る姿を、シィさんは初めて見ました。
不機嫌で口数が減ったのだと思っていましたが、どうやら自分の言動を反省していたようです。友だちなら何でも言っていいわけではないと気付いた様子。
シィさんも、「エーコの発言はマウント……?」と身構え、不満に思っても反論せずに黙っていたことを反省しました。
良いところも悪いところもひっくるめての友だち。それからふたりは、時々会って、言いたいことを言い合う仲になれたようです。
いろいろありましたが、ふたりは今まで以上に良い関係になれたのではないでしょうか。これからも、お互いの意見を尊重することを大切にしながら、良い友人関係を続けてほしいですね。