腎がんの症状は?
初期の段階では自覚症状はない
そもそも腎がんとは「腎細胞がん」という腎臓の細胞ががん化したものを指します。同じ腎臓でも腎盂(じんう)という肝臓と尿管をつなぐ部分のがんである「腎盂がん」とはまったく別物なのだとか。
今回は一般的な腎がんである「腎細胞がん」について解説します。
「腎細胞がんは50代から発症することが多く、男女比は2〜3:1と男性のほうが患者数が少し多い傾向にあります。
生活習慣病と大きく関わっており、肥満体質な人や高血圧の人は要注意です。喫煙者の発がん率は1.4〜2倍なので、喫煙をする人も気を付けてください。
腎不全などで透析治療を受けている人の発がん率は10倍にもなります。糖尿病が悪化して透析を受けている人もいますので、そういった人は悪化しないよう注意が必要ですね」(窪田先生)
腎細胞がんになるとどのような症状が出るのでしょうか。
「他のがんでも同じですが、腎細胞がんも初期だと自覚症状は出ません。症状が出ている人はがんが進行してしまっている人です。
腎細胞がんが進行すると足のむくみや血尿、便秘など体調不良を感じるようになります。
腎臓は背中側にある臓器なので、おなかにしこりができたなんてときはかなりがんが進行している状態です」(窪田先生)
症状がないのに早期発見できる
検査で発見される腎細胞がん
自覚症状が出るころにはがんが進行していると聞くと不安になってしまいますよね。しかし、腎細胞がんは早期に発見されることが多いのだとか。
「腎細胞がんの多くは人間ドックや健康診断の腹部超音波検査で見つかります。あとはCTやMRI検査なんかでも見つかることがあります。
他の病気の検査を受けていたらたまたま発見した、なんてことはよくあります。
がんには腫瘍マーカーというがんを発見する検査がありますが、腎細胞がんを判定できる腫瘍マーカーはありません。そのため、腎細胞がんの早期発見には腹部超音波検査を受けることが最適です。
がんは大きさ4cmがターニングポイントとされています。腎細胞がんは1年で1cmくらい大きくなるので、1年に1回腹部超音波検査を受けると良いでしょう」(窪田先生)
どんな治療をおこなうのか
ポピュラーなのは外科手術
「腎細胞がんの治療法として、手術をせずに経過観察をすることや細胞組織を凍らせてがん細胞を死滅させる方法があります。
ですが、最も多いのは外科手術です。腎臓を摘出することはほとんどなく、がん細胞だけを取り除いてなるべく腎臓を温存できるようにしています。
もちろん、がんの大きさや状態によっては摘出せざるを得ないこともあります。ですが、腎臓は2つありますので、1つ摘出したからといって日常生活に支障が出るようなことはあまりありません。
放射線治療や抗がん剤治療をするということもありますが、基本的には外科手術で治療をおこなっていきます」(窪田先生)
腎細胞がんにならないようにするにはどのようなことを意識するといいでしょうか?
「腎細胞がんに対する予防法はありません。直接的な予防法はないものの、リスク要因に対処することで腎細胞がんのリスクを減らすことができます。
腎細胞がんのリスクを高める『肥満』『高血圧』『喫煙』の3点は気を付けたほうが良いですね。この3点は腎細胞がんだけではなく、生活習慣病など他の病気の予防にも通ずるところがあります。
たばこや塩分を控えたり、1日20〜30分程度ジョギングをしたりすることは体に良いことなので、是非とも意識してもらいたいです」(窪田先生)
まとめ
腎細胞がんは生活習慣を正すことでリスクを下げることができるのだそう。他にも健康診断を受けるなど、日ごろから健康を意識していくことが病気にならない生活につながるのかもしれませんね。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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