それから1カ月ほど経ち、レクトは学校に戻って来ました。学校を休んでいた理由を「ケガしただけ。傷が治るまで学校に行きたくなかったから」と話すレクト。顔を曇らせながら説明するレクトに、クラスメートもそれ以上は聞ける雰囲気ではなく、詳細はわからないままでした。
その後しばらくして、同じ学校の保護者の高木さんに偶然会ったソウのお母さん。高木さんによると、「レクトくんのケガは姉のメコちゃんに刃物で傷つけられたもの」と噂になっているそう……。
レクトは育児放棄を受けているという噂があり、姉のメコちゃんは生活が荒れて手がつけられない状態という、複雑な家庭事情がありました。そんな中、学校に登校するようになったレクトは……。
生活が荒れる少年に学校は…
高木さんの話を受け、ショックを受けるソウのお母さん。
その日、学校から帰ってきたソウがレクトの話を切り出しました。
「暗いところや狭いところに閉じ込められてないか?」
「お金がなくてもごはんが食べられるところがある」
先生がレクトにそう話している声が聞こえてきたそう。
ソウのお母さんは、「学校側はできることをしているんだろうな」と感じていました。
その後もレクトは、学校に来なくなることがあるものの、暴れることは減り、落ち着いた学校生活を過ごすのでした。
学校のサポートもあり、落ち着きを取り戻してきたレクト。しかし、ソウが耳にした、先生とレクトの会話はショッキングなものですね。さまざまなトラブルを起こしてきたレクトですが、家庭では気持ちが荒れてしまうような、つらい状況にあるのかもしれません。
先生が親身になってサポートしているようですが、レクトが心から安心して生活できる環境が整うことを願うばかりです。