私、歓迎されていない?
夫は私の4歳年下で、夫の兄と私は同い年です。私と夫が結婚する前、夫と義兄は同じアパートに住んでいた時期があり、当時から義兄とは何度か顔を会わせることがありました。と言っても、一緒に食事に行ったり遊んだりすることはなく、アパートを出たところでたまたま会えば、お互いに会釈する程度でした。
そして、夫と結婚する前の家族の顔合わせのときも、義兄はほとんどニコリともせず、黙々と食事をしていたので、「あれ……私、歓迎されていない?」と思っていたのです。
義兄の意外な一面にほっこり
それから私と夫は入籍し、私が長男を出産した当日。夫が「兄貴が奥さんと一緒に、赤ちゃん見に来るって」と言ったのです。私は「数カ月後に第1子の出産を控えている奥さんが、赤ちゃんを見たがっているのかな?」と思いました。
数時間後に義兄夫婦が到着し、長男をお披露目すると、意外なことに義兄の目尻は下がりっぱなし! 義兄は長男をたくさん抱っこして、持参した自前の一眼レフカメラで何枚も写真を撮ってくれたのです。私と長男が退院して数日後も、義兄夫婦は遊びに来てくれ、同じようにかわいがってくれました。
あとから義母が私に教えてくれた話ですが、義兄は子どもや動物が大好きなのだそうです。そして、義兄のことを「人見知り」と話していたので、顔合わせのときに私が無愛想と感じたのは、そのせいかもしれません。義兄は今でも、4歳になった長男のことを、とてもかわいがってくれています。
作画/ぐら子
著者:吉川 みきな
15歳女の子と5歳と1歳の男の子の年の差きょうだいを育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。