「終わった……俺の人生」そんなことを思いながら、自分の荷物をまとめていると、1枚のメモが出てきました。そのメモを見て、良子ちゃんの存在を思い出したオイカリ先生。すると、早速ある行動に出て……?
荷物整理をしていると、ひとりの生徒の存在を思い出して…
「もしもし、出木杉さんのお宅ですか?」
「あの先生……前にもお伝えしたように娘は」
「良子さん出してもらえますか?」
「お願いです。実は私……
良子さんの担任を辞めることになりまして」
オイカリ先生がやんわりと事情を話すと、
「娘に聞いてみます」と返したお母さん。
(頼む……出てくれ良子……っ。
お前だけは俺のために)
オイカリ先生が心の中で
必死に良子ちゃんが出てくれるのを願っていると、
受話器から声が聞こえてきました。
「もしもし……先生、私です」
その声は紛れもなく良子ちゃんの声だったのでした。
メモを見て良子ちゃんの存在を思い出し、電話をかけたオイカリ先生。オイカリ先生と良子ちゃんはあくまで塾講師と生徒という関係でしたが、いつも成績トップだった良子ちゃんは、生徒の中でも特別な思いがあったのかもしれません。オイカリ先生が何を話したくて電話をしたのかは分かりませんが、よからぬことに発展しないことを祈ります。