友人のロッカーに入っていたのは
私は女子高に通っていました。女子しかいない空間だったため「今日生理2日目でさ~」「ナプキン予備持ってない?」など、生理に関する話題も教室内で当たり前のように飛び交っていました。
そんなある日、仲の良い友人のロッカーに学校指定のジャージ以外にも、黒の上下ジャージが入っているのを見かけました。
「運動部でもないのになんでジャージをロッカーに入れているんだろう?」と疑問に思った私は、彼女に聞いてみることに。
黒ジャージを持っていた理由
「なんでロッカーに黒ジャージを入れているの?」という私の質問に、彼女は「私、経血の量が多くてたまに漏れるんだ……黒ジャージは漏れちゃったときの着替え用なの」と答えました。
ジャージが黒色なのは「うっかり経血の汚れがついても目立たないように」とのこと。さらにジャージだけでなく、ナプキンやショーツも常備しているそうで、彼女の用意周到さに私はとても驚きました。
ちなみに、「経血漏れ対策であれば、下のジャージだけでいいんじゃない?」と質問したところ、彼女は「上は制服で、下はジャージなんて嫌なの。全身ジャージのほうがマシだよ」と答えました。
上下ジャージを用意していたのは、彼女のおしゃれのポリシーだったようです。
彼女の用意周到さに感動
その後、彼女が黒の上下ジャージを着て帰る機会が何度かありました。
そして、学年が上がり私と彼女のクラスが別れたあと、ほかの女の子が彼女のジャージを着ている場面を見かけました。
私たちの女子高では生理の話題は当たり前のことでしたし、経血が漏れたからといって誰もからかうことはありません。
「きっと経血が漏れて困っていたから、あの子が自分のジャージを貸してあげたんだ」「しっかり準備して自分や周りの人が困らないようにしているって素敵だな」と強く思いました。
生理に対する友人の用意周到さに感心した私は、自分が生理でなくてもかばんの中にナプキンを常備するようになりました。自分が安心するだけでなく、急に生理がきて困っている人を助けられるようになりました。事前に対策しておくことの大切さを実感した出来事です。
著者/ココロナナコ
イラスト/おんたま
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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