パニ子は28歳の専業主婦。職場で出会った同い年の朝陽と結婚し、生後6カ月の娘パニ美と3人で暮らしています。幸せいっぱいの毎日を送っていたパニ子でしたが、朝陽の転職を機に、厄介な姑の住んでいる朝陽の地元に引っ越すことに……。
昔ながらのザ・姑
朝陽の地元で生活をはじめたパニ子。実家から離れることや田舎での暮らしに不安はあったものの、のんびりとした静かな日々を楽しんでいました。
しかし、ひとつだけ引っかかっていたのが、姑の存在。姑は、昔ながらの“ザ・姑”。アポなしで訪ねてくるのはもちろん、チャイルドシートなしでパニ美を車に乗せようとしたり、抱っこしながら運転すると言ったりするので、パニ子もうんざりしています。
しかし、愛する朝陽のお母さんであることに変わりはありません。ぶつけたい文句も飲み込んで、極力関わらないようにして過ごしていました。
非常識な姑に一同唖然!
ある日パニ子一家は、朝陽の親友・陽太に誘われて会員制のスーパーに出かけることになりました。できたばかりの会員制スーパーは、地域でも注目のスポット! 朝陽の車に4人が乗り込み出かけようとしたところ、どこからともなく姑がやってきます。
会員制スーパーに行くと言ったら、羨ましがることは目に見えています。案の定、「私も一緒に行く!!!」とノリノリな様子。
しかし朝陽の車は4人乗り。姑の乗るスペースはありません。
しかし、そんなことで折れない姑。「パニ美をチャイルドシートから降ろして自分が抱っこすれば乗れる」「陽太は自分の車で行けばいい」と無茶な提案をします。
そもそも、チャイルドシートから降ろすことは交通ルール違反。陽太に「家族水入らずに入り込むな!」と言う姑の言い分にも呆れてしまいます。
しかしこれだけでは終わらず、「陽太とは友だちをやめなさい!」とまさかの一言が放たれたのです。
「縁を切る」そう言って夫は…
「分かったよ……母さん」と朝陽。まさか朝陽を置いて行くのか? と思ったそのとき、ドアを閉め、車を発進させました。
「母さんの言う通り、縁を切らなくちゃいけないみたいだわ」
そこから先は、電話もLINEもスルー。正式に姑と縁を切ったのでした。
「息子に縁を切られた」と言う悪い噂はあっという間に広がり、世間体を気にする姑は家からあまり出てこなくなったようです。
後から聞いたところによると、姑は陽太のお母さんと義父が道端で話しているところを目撃し、不倫していると騒いだことがあったのだそう。そのせいか、昔から陽太へのあたりが強かったようです。
姑には苦労したパニ子でしたが、朝陽にとって心を許せる存在である陽太がいるこの場所に引っ越してよかったと、心から思ったのでした。
夫の地元に住むと、姑との関係性に悩まされることも少なくありません。しかし、ダメなことはダメ、何が大切かをしっかりと意思表示してくれる、夫の頼もしい一面を見るチャンスでもあるのかもしれませんね。