42歳のパニ子は、中学3年生の娘パニ美と2人暮らし。パニ美が3歳の時に夫を亡くして以来、女手一つで生活しています。パニ美はとても成績優秀で、小さなころから家事もしてくれていたので家のことも完璧です。
高校の入試説明会で出会った傲慢な母
ある日、人気校・パニ高の入試説明会で、パニ美の同級生ショウコの母・ミヤコと会いました。会話をしていくうちに、ミヤコは自分の見栄のためにショウコに厳しい受験生活を強いており、ショウコの意見を聞こうとすらしていないことが分かりました。
それどころか、「パニ美ちゃんは、どんな塾に通っているのかしら? あ、でもパニ美ちゃんのお家じゃ無理かしら…w」と、優越感を見せつけてきます。
しかし、パニ美はいたって冷静です。自分で勉強できるからと塾の必要性を否定し「どの高校を受けようと、別に塾が絶対って訳じゃないし、通わなくっても問題ない。特に教えてもらわなくても、私今のところ自分で理解できているから」と言いました。
見下してくる母親に見事な逆転劇
卒業式の日、再びミヤコと遭遇。ミヤコはショウコがパニ高に合格したことを得意げに話してきました。「それで? パニ美ちゃんはどうだったのかしら?」と聞いてきたため、パニ子が「本当は受けたかったんですけど、パニ高を受けることができなかったんです…」と答えると、パニ美が事前テストをクリアできなかったと思い込んだミヤコは満面の笑み!
しかし実は、パニ美はパニ高の事前テストを満点でクリアしていましたが、本命の超難関校・コレ高との受験日が重なったためパニ高を受験できなかったのです。パニ美はコレ高に見事合格し、特待生として学費も免除され、新入生代表の挨拶も任されることになっていました。
この事実を伝えると、ミヤコは「そ、そんな…信じられない…!」とワナワナ震えています。パニ子たちは満足げに家路につきました。
ショウコとパニ美の成長に感慨
2年後、パニ子は近所のスーパーで働くショウコに再会。受験前と違って、明るく元気そう♪ 話を聞いてみると、高校への進学が家計の負担となり、ショウコはアルバイトを始めたそうです。金銭的に厳しく、勉強も苦労しているようですが、毎日が楽しく、家族との絆も深まったとのこと。将来の夢は保育士だと生き生きと語るショウコを見て、パニ子は安堵しました。
一方、パニ美も弁護士になるという夢を追い続け、法律の勉強を始めました。高校でも毎日楽しそうに勉強し、充実した日々を送っています。
子どもの進路は親の見栄ではありません。子どもの人生は子どものもの。子どもの考えを理解し、応援できるような親でありたいものですね。