高校の入試説明会で出会った傲慢な母
ある日、人気校の入試説明会で、娘の同級生の母親と会いました。会話をしていくうちに、彼女は自分の見栄のために娘さんに厳しい受験生活を強いており、娘さんの意見を聞こうとすらしていないことがわかりました。
それどころか、「あなたの娘さんは、どんな塾に通っているのかしら? あ、でもお宅じゃ無理かしら……」と、優越感を見せつけてきます。
しかし、娘はいたって冷静です。自分で勉強できるからと塾の必要性を否定し
「どの高校を受けようと、別に塾が絶対ってわけじゃないし、通わなくっても問題ない。特に教えてもらわなくても、私今のところ自分で理解できているから」
と言いました。
見下してくる母親に見事な逆転劇
卒業式の日、再びその母親と遭遇。彼女は娘さんが人気校に合格したことを得意げに話してきました。「それで? あなたの娘さんはどうだったのかしら?」と聞いてきたため、私が「本当は受けたかったんですけど、その高校を受けることができなかったんです……」と答えると、娘が事前テストをクリアできなかったと思い込んだ彼女は満面の笑み!
しかし実は、娘はその高校の事前テストを満点でクリアしていましたが、本命の超難関校との受験日が重なったため受験できなかったのです。娘は超難関校に見事合格し、特待生として学費も免除され、新入生代表の挨拶も任されることになっていました。
この事実を伝えると、彼女は「そ、そんな……信じられない……!」とワナワナ震えています。私たちは満足げに家路につきました。
子どもたちの成長に感慨
2年後、私は近所のスーパーで働く娘の同級生に再会。受験前と違って、明るく元気そう!
話を聞いてみると、高校への進学が家計の負担となり、アルバイトを始めたそうです。金銭的に厳しく、勉強も苦労しているようですが、毎日が楽しく、家族との絆も深まったとのこと。将来の夢は保育士だと生き生きと語る彼女を見て、私は安堵しました。
一方、娘も弁護士になるという夢を追い続け、法律の勉強を始めました。高校でも毎日楽しそうに勉強し、充実した日々を送っています。
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子どもの進路は親の見栄ではありません。子どもの人生は子どものもの。子どもの考えを理解し、応援できるような親でありたいものですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。