パニ子は30歳の専業主婦。サラリーマンの夫・ハルトと春から幼稚園に通う娘のパニ美の3人家族です。
「妻が働いているなんてみっともない!」
今はまだ幼稚園生のパニ美も、あと3年したら小学生。今住んでいる賃貸マンションが手狭になったこともあり、戸建かマンションを買いたいと考えたパニ子は、ハルトに相談を持ちかけました。
「一戸建てが良いなぁ〜2階があって、屋根裏部屋もあるやつ!」と、ハルトも乗り気。
しかし、問題になるのが頭金やローンです。
そこでパニ子は、資金を稼ぐために働きに出たいと伝えます。
ところが、家購入に乗り気だったハルトの態度が一転。
「妻が働いているなんて、俺の稼ぎが悪いと周りから思われるだろ?」と、断固反対!
パニ子がなんとか説得しようとするも絶対に譲らず、
しまいには「……もういい!!」
と部屋を出ていってしまいました。
機嫌が悪くなると無視! 夫の悪い癖
これはハルトの悪い癖。パニ子が何を話し掛けても完全無視! 手元のスマホをいじり、顔さえ上げません。
自分の思い通りにことが運ばなかったりイラだったりすると、いつもこうなのです。
ハルトの無視は翌日にまで持ち越し、ついには夫婦のギスギスした空気を察したパニ美が
「土曜日、遊園地楽しみだねぇ~」と気を遣って話しかける始末。
そんなパニ美にまで、ハルトは大人気ない態度を取ります。
「土曜日の遊園地はなしだ。パパはママとは遊園地に行きたくない!」
楽しみにしていた約束をキャンセルされて泣いているパニ美をよそに、無言のまま鞄を持って玄関へ向かうハルト。
カッとなって家を出て行ってしまいました。
機嫌が悪くなるとすぐ逃げる。いくつになっても子どものよう……。
娘が黙り込んだその理由とは……
パニ美にまで怒鳴るなんて、父親失格です。
「もう我慢できない!」 決意を固めたパニ子は、リビングに離婚届を残し、実家に戻ることにしました。
帰宅したハルトは、もぬけの殻になったリビングを見てびっくり! テーブルに置かれた離婚届を見つけ、慌てて電話をかけてきました。
「離婚なんて大げさな……」
昨日まで無視し続けていたとは思えない態度で家に戻るように説得するハルト。
「パニ美にかわれ!」というので、電話をスピーカーに設定しました。
「パニ美はパパといたいよな? パパもばあばも大好きだよな? パニ美、聞こえているのか!?」
部屋中に響き渡るハルトの声。もちろんパニ美にもその声は届いています。
ダンマリを決め込むパニ美。
普段から怒るとすぐに無視をする父を見ていたので、同じことをし返しただけの話。ハルトにとっては、自分の行いがそっくりそのまま返ってきたのでした。
「パニ美、約束を破られたことを相当怒っているみたい。誰かさんのマネしているんじゃない? 仕返ししてるのね!」
子は親の鏡とはよくいったもの。幼い子どもは親の振る舞いをよく見ています。悪い振る舞いは、いずれ必ず自分に返ってくるのですね。