パニ子は実家の建設会社で働く29歳。重機の扱いだって手馴れたもの! 天職ともいえる住宅づくりに充実する日々を送っています。でも最近、困ったことがあって……。
迷惑な無断駐車
パニ子を悩ませているのは、職場である建設会社の駐車場に毎日停められている1台の車。もちろんスタッフのものでもお客様のものでもありません。
出社すると既に車は停められていて、気がつくといなくなっているので、誰の仕業かさっぱりわかりません。
建設会社の駐車場はその1台きり。そこに無断駐車をされてしまうと、お客様や業者さんが困ってしまいます。
まさかの逆ギレ!?
とある仕事の帰り道。
ふと近所の保育園の駐車場に目をやると、いつも無断駐車しているあの車が!
車種や色、中に積まれているぬいぐるみまで一致していたので間違いありません。
そのタイミングでバリキャリ風の母親と小さな子どもが車に乗り込みます。
今しかない! と思ったパニ子は車を走らせ、後をつけます。
車は保育園から10分ほどのマンションに駐車。パニ子は、車から降りた母子に声をかけました。
「いつも保育園の送迎のときに、勝手に人の会社の駐車場に車を停めているでしょ?」
しかし母親は謝るどころか、なんと逆ギレしてきたのです!
止まることのないトンデモ理論
「仕方がないでしょ? 保育園に車を置いておけないんだから。子どもを預けた後、いちいち自宅まで戻っていたら、仕事に遅刻しちゃうじゃない!」
自分勝手な主張をする母親に唖然!
「文句があるなら保育園にいいなさいよ。親が停められるように保育園内に駐車場作れって!」
いっていることはハチャメチャ! ツッコミどころが満載すぎて、どこから話していいかもわかりません。
「汚いトラックばかりが並んだしょぼい建築会社の駐車場に、高級車を停めてあげてるんだから、格が上がるじゃない! 感謝してもいいくらいよ」
大切な会社までけなされたパニ子は、ダメなものはダメだと強く伝え、二度と建設会社の駐車場には停めないようキツく注意しました。
ところが、
「私が子どもを保育園に送迎できなくなるじゃない! 子育てを邪魔する気? 子どもは地域で育てるものなんだから協力しなさいよ」と、次から次へとトンデモ理論が繰り広げられます。
迷惑な駐車車両、1日にしてオブジェに
翌日も定位置に停められているいつもの車。
しかし、負けるわけにはいきません。パニ子は動きます。
夕方、駐車場から叫び声が。見ると、あの母親が立ち尽くしていました。
「これじゃ車が出せないじゃない! 保育園のお迎えに遅れちゃう!」
パニ子は昼間のうちに、無断駐車の車の周りを掘り、ぐるりと囲むように花壇を作ったのでした。花壇に囲まれる車は、オブジェと化しています。
お願いをしても動かさない、連絡先もわからないようでは、こうするしかありません。
「この花壇、保育園の子どもたちと一緒にチューリップを植えたんですよ! みんな花が咲くのを心待ちにしていたから、車で踏み荒らすわけにはいきませんね〜」
パニ子は、花壇の花が咲くのを楽しみにしているのでした。
最初の注意でやめればよかったものの、自分の都合ばかりを主張する迷惑な人には、これくらいのお仕置きをしないとわからないのかもしれませんね。時間が惜しいのは皆同じなのですから。