共働き夫婦のパニ子。それぞれ仕事を持っているので、夫・ヒロカズは家賃と光熱費、パニ子は食費と日用品と、家計も分担しています。でもこの1年、この取り決めを守ってくれないヒロカズ。毎月のように督促状が届くようになって……
また滞納! お金にだらしない夫
「アパートの家賃が引き落としできなかったって父から連絡があったわよ」
今月もヒロカズは家賃を滞納している様子。
パニ子夫婦は、パニ子の父が所持するマンションに住んでいます。毎月の滞納に申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、お金を振り込むよう伝えます。
ヒロカズはお金にだらしなく浪費家。欲しいも我慢できずすぐに買ってしまいます。
「今月出費が多かったんだから仕方がない。そもそもこの家のオーナーはパニ子のお父さんなんだから、無償で住まわせてくれるのが普通だろ?」
パニ父はたくさんの不動産を持つ大地主ですが、家賃を払うのは大人のけじめ。そういうわけにはいかないと何度も説明しているのですが、まったくわかってくれません。
「最近、クサクサすることばっかりだぜ!」
ヒロカズはイライラをぶつけてきます。
父の入院
その直後、パニ父が階段を踏み外して足を骨折したという知らせが入ります。
パニ子は慌てて病院に駆けつけましたが、院内をウロウロと歩き回りながら、入院患者と話をしている父の姿を見て、ひと安心!
気さくなパニ父は、誰とでもたちまち仲良くなってしまいます。
それでも夜は寂しいのか、家族写真が欲しいというので、パニ子・ヒロカズ・パニ父とパニ母が写る写真を届けたのでした。
「余命半年なんて、信じられない!」
病院から帰ると「俺のメシの支度はどうなった!?」と不機嫌なヒロカズ。
「父が入院することになって……」パニ子が事情を説明しようとすると、「そうか、それはしょうがないな!」と明るい声で応えるヒロカズ。
なにか勘違いしている……?
訂正しようと思ったところで電話が鳴りました。
「え! 信じられない……余命半年?」
電話をとると、悲しそうに話すパニ父の声。
「ひどい……。でも余命半年なんていわれちゃったらもう私はなにもいえない。残された時間を有意義に過ごしてもらいたいもんね。許してあげるよ」
いつの間にかパニ子は涙を流していました。
電話を切ったパニ子に、
「好きなだけお見舞いに行ってやれよ! 俺の夕飯は気にするな!」
と、ヒロカズはやさしい言葉をかけるのでした。
「もうすぐ遺産がガッポリ入ってくるんだから」
半年後、パニ子の家に督促状が届きます。その額なんと100万円!!
内訳を見ると飲み屋の名前がずらり!
パニ子はヒロカズを問い詰めました。
「どういうこと? なんでこんな無駄遣いしたの?」
するとヒロカズは、とんでもない発言をしたのです。
「いいだろ〜? どうせもうすぐ遺産がガッポリ入ってくるんだから」
愕然としたパニ子。
なんとヒロカズは、パニ父が余命半年と思い込み、遺産をアテにして豪遊していたというのです。
「余命半年なのはあなたの浮気相手よ?」
ヒロカズはきょとんとした顔でパニ子を見ます。
浮気相手・フミカの存在が妻にバレたばかりかフミカの余命が半年だなんて、理解が追いつかないようです。
フミカと仲良くなったのは、入院中だったパニ父。
ふと部屋に飾っていた家族写真を見たフミカは、恋人であるヒロカズが妻帯者であることを知り、とんでもないことをしてしまったとパニ父に詫びたのでした。
しかし病気を患い、余命半年というフミカ。
パニ子もパニ父も、フミカを許すことを決め、フミカの余生が少しでも良いものになるように、毎日お見舞いに行っていたのでした。
しかし、独身と偽り浮気をしていた上、遺産を当てに借金まで作っていたヒロカズのことを許すわけにはいきません。
「フミカさんは浮気の証拠をたーくさん私に渡してくれたわ。覚悟はいい!?」
浮気されるのは悔しく悲しいことですが、正直に話し、反省をした浮気相手の誠実さに触れ、許すことができたその経験は、自らを大きく成長させてくれたのではないでしょうか。