「終わった……俺の人生」そんなことを思いながら、自分の荷物をまとめていると、1枚のメモが出てきました。そのメモを見て、良子ちゃんの存在を思い出したオイカリ先生は、良子ちゃんの家に電話をかけることに。
最初は良子ちゃんお母さんに断られていたものの、なんとか良子ちゃんにつないでもらえたオイカリ先生。すると、良子ちゃんから「悪口の手紙を書いたのは自分です」という衝撃の事実が語られたのです。さらに、その手紙を書こうと思ったのか、理由も話し始めて……?
「怖かった」女子生徒の本音を聞いた先生は…?
「先生が私を褒める度に、
頭をなでる度にすごく怖かった」
「成績が落ちたら私なんか価値がない……
だから自分で手紙を書くしかないと思ったんです」
良子ちゃん言葉にうろたえるオイカリ先生。
「価値がない?自分で書いた?
ちょっと待てよ……。なぁ、本当のことを教えてくれ。
あれはつむ田が書いたんだろ?」
「あの日俺がそう聞いたとき、
否定しなかった……よな?」
「つむちゃんが書くわけないじゃないですか。
だって私たち友だちですよ?」
「お前たちそんな仲良くなかっただろ!」
その言葉を聞いた良子ちゃんは、
オイカリ先生は自分の成績だけしか
見ていなかったことを指摘。
「先生のこと、もう……好きじゃないです」
そう言うと、電話を切られてしまいました。
(俺は夢でも見てたのか?)
オイカリ先生の受話器からは、
虚しくツーッ、ツーッという音だけが響いていたのでした。
良子ちゃんの塾へ行くのが嫌だった原因は、生徒の成績しか見ていなかったオイカリ先生にありました。良子ちゃんも塾の担任が変わり、オイカリ先生と話すのもこれが最後ということで、意を決して真実を話してくれたのだと思います。無意識にそこまで生徒を追い込ませてしまっていたオイカリ先生。さらに、自分の思い込みにより、もうひとりの生徒も深く深く傷つけてしまいました。このことを深く反省し、心を入れ替えてほしいです。