パニ子の娘、パニ美はダンスが大好き! コンテスト出場に向けて、レッスンに欠かさず通い、空き時間は公園で練習する毎日を送っています。そんなパニ美の応援がパニ子の生き甲斐になっている今日このごろ。しかし、夫のケンゴはそんなパニ美に一切興味を示さず、レッスンの送り迎えもしなければ、ステージを見に行くこともありません。じゃあなにをしているのかって? それは……。
「家ではなにもしないのに」実家で夫は……
そもそもケンゴは、家事・育児に非協力的。
パニ美と2人で出掛けたこともなければ、保育園の送り迎えをしたこともありません。共働きにもかかわらず、家事をしたこともないのです。
仕事が休みの日ですら、パニ子が帰宅すると家は散らかり放題、キッチンには夫が食い散らかした食べ物や食器が置きっぱなしのまま、出掛けているのです。
ケンゴの出掛け先はというと、義父母の住む実家。
まだまだ両親は元気だというのに、暇があれば実家に行き、草むしりや布団干し、買い物と、なんでも手伝っているのです。
「その家事、うちでは私がやってるんですけど!? うちでもやってよね!」とパニ子がいっても、「実家で散々やったから疲れた!」といい、やった試しがありません。
自宅ではなにもしないのに、実家では大張りきりで家事をする夫。もちろんパニ美のダンスには目もくれず、せっせと実家に通っているのでした。
夫の家族は妻子ではなく義父母なの!?
夫の態度への不満はこれだけではありません。
なにかにつけて実家優先の夫は、お菓子や招待券をもらうと、パニ子やパニ美ではなく、実家に持っていってしまうのです。
蜜がたっぷりのリンゴ、行列ができるお店のケーキなどの食べ物も全部食べてしまい、パニ子には「おいしかった〜」と報告するだけ。先週は、3枚もらった映画のチケットで、義父母と映画を見に行っていたのです。
「ご家族で召し上がってください〜」といわれて渡されているであろう食べ物やチケット……。ケンゴにとっての家族はパニ子とパニ美ではなく、義父母であることにがっかりしてしまいます。
消えた高級肉
そんなパニ子のモヤモヤよそに、パニ美はコンテストで特別賞を受賞! 立派なトロフィーと賞金をゲットしました。
パニ美が「パパも一緒にお祝いしてほしい♡」というので、家族3人でお祝いをすることに決定。パニ美の希望で、賞金を使って高級お肉を買い帰宅しました。
帰宅して早々、パニ美はケンゴに特別賞をとったことを報告します。しかし例に漏れず興味のないケンゴ。「明日はお祝いね!」といっても、生返事をするだけでした。
翌日、仕事から帰ったパニ子はお祝いの準備をしようと冷蔵庫を開けました。しかし、冷蔵庫にあったはずの肉が見当たりません! まさか……。
「ねぇ、冷蔵庫に入れておいたお肉がないんだけど」とケンゴに聞くと、「昼に親と食べたよ!」と信じられない回答が返ってきたのです。
妻子よりもママを選んだ男の顛末
「あのお肉はお祝いのために買ってきたものだって言ったよね!?」
「ありがたくいただいたよ! それにしても今日が母さんの誕生日だって、よく知ってたな、パニ子w」
ケンゴは今日のお祝いがパニ美のものではなく、義母のものであると勘違いしていたのです。
興味がないにも程があります。
「大好きな義父母とまた一緒に暮らせたほうが、ケンゴも嬉しいはず」
そういって、パニ子は離婚を決めました。
義父母は「お肉くらいなんなの!?」と離婚にグチグチいっていたよう。しかし、息子が映画の券を3枚持ってきても「妻子を連れて行きなさい」といわず、図々しくも映画を見に行くような義父母にはなにをいっても無駄。パニ子は気にせず、母子2人の暮らしをスタートしたのでした。
後日談、姑が息子の離婚理由をご近所にいいふらした結果、異常な親子関係だと周りから白い目で見られているよう。ケンゴの職場でも『妻子よりもママを選んだ男』と冷たい視線で見られていると聞きました。
両親を大切にするのはとても良いことですが、新しく家族を持った以上、同じように大切にしなければなりません。おいしいお菓子や人気のスポットの招待券をもらったなら、妻や娘の顔を思い出してほしかったですね。