「おかえりー。今日メシ何?」
この日も帰りが早かった毒太は、漫画を読みながら瓜田チャリさんの帰宅を待っていました。
勝手にメニュー予想をして、はずれるとがっかりする毒太。病院へ行っているから手の込んだ料理はできないと言う瓜田チャリさんに、「前の日に準備したら簡単やん」と平然と言う毒太。
さらに……
「ていうかお前、病院毎日行くん? 毎日行く意味ある? 意識ないのに」
毒太に意識がない=お見舞いは意味がないと言われた瓜田チャリさんは、もう毒太と家族でありたくないと思い始めたのです……。
何度誘っても病院嫌いな毒夫はお見舞いに行かず…
翌朝、瓜田チャリさんはお弁当渡しながら、
「今日も病院行くから。仕事早く終われたら、面会一緒に行かない?」
と、毒太をお見舞いに誘ってみました。
すると……
「えーいやぁ……今行ってもなぁ。意識戻ったら行くかも」
と、やはり意識がないとお見舞いは意味がないという考えを変えない毒太。
瓜田チャリさんは、それ以上何も言いませんでした。
もうどうでもいいわ。
こんな奴が来たってお父さんも喜ばないし。
瓜田チャリさんが気持ちを切り替え、仕事を頑張っていたところ、急に話しかけられました。
「あの、お母様からお電話です」
「え!?」
突然のことに驚きが隠せない瓜田チャリさん。
すぐに内線で繋いでもらい、電話に出ると……
「お父さん……急に……心臓が止まっちゃった……すぐに来れる?」
お母さんにそう言われた瓜田チャリさんは、
「わかった……行くよ」
涙を浮かべてそう答えるしかありませんでした……。
もともと病院嫌いでお見舞いに行かないと宣言していた毒太なので、意識がないうちはお見舞いに行っても意味がないと言うスタンスを最後まで崩しませんでした。
しかし、お父さんが急変し、もう「お見舞いに行きたくない」なんて言える状況ではなくなりました。 やはり何があるかわからない危篤状態なら、会いに行くべきでしたね……。