酷い発言をされても、瓜田チャリさんは翌朝になると再び毒太をお見舞いに誘ってみました。
しかし、意識がないとお見舞いは意味がないという考えを変えない毒太に、瓜田チャリさんはそれ以上何も言いませんでした。
ところが、勤務中にお母さんから会社に電話がかかってきました。
「お父さん……心臓が止まっちゃった……すぐに来れる?」
父が亡くなったことを知らせる悲しい電話を受けた瓜田チャリさんは、
「わかった……行くよ」
と涙を浮かべて答えるしかありませんでした……。
見舞いに来なかった夫にも父が亡くなったことを知らせると…
お母さんとの電話を終えた瓜田チャリさんは、長男・リョウくんへ電話をかけました。
おじいちゃんが亡くなったことを伝えると……
「オレも病院行きたい!」
と言うリョウくん。
そこで瓜田チャリさんは病院の入り口でリョウくんと待ち合わせすることに。
おじいちゃん子やったから、私よりもっとショックかもな……
と、リョウくんを想う瓜田チャリさん。
しかし、心配なことは他にもありました。
それは、保育園のお迎えに毒太が行けるのか、さらにヒナコちゃんとフミちゃんと一緒に留守番ができるのかどうか……。
今までの毒太のおこないを思い出した瓜田チャリさんは、ある人に電話をかけました。
「あ、ごめん仕事中じゃない? あのさ……今お父さん亡くなって、すぐに病院行きたくて……。ほんとごめん……ヒナコのお迎えと、フミも頼んでいい?」
「いいよ! 気にしないで! 任せて」
電話をかけた相手はたっくんママ。
瓜田チャリさんのお願いを快く引き受けてくれました。
そして病院でリョウくんと落ち合った瓜田チャリさんは、お父さんの元へ……。
リョウくんは涙を流し、瓜田チャリさんも泣きながら手術の日に見送りへ行かなかったことを悔やみ、心のなかでお父さんに謝りました。
すると、病院の医師から医療ミスで亡くなった扱いになるため、後日遺族に向けて手術当日から亡くなるまでの経緯をまとめて説明すると言われました。
しかし、お母さんは、手術はお父さんが強く希望したため、医療ミスがあっても裁判にしないことを事前に決めていました。それを聞いた瓜田チャリさんも、「お母さんが決めたらいいと思うよ」と納得しました。
そして瓜田チャリさんは、毒太にもお父さんが亡くなったことを報告。
「えっ……! そっか……まだ会社いるし、社長に話して何日か休みもらうわ」
忌引き休暇をもらうと言う毒太は、さらに続けて……
「ていうかそれ……どうなんの? 医療ミスやろ!? ヤバイな! 裁判とかなるやん!!」
なぜか、興奮してはしゃいでいる様子。
瓜田チャリさんが、お母さんには病院を訴えるつもりはないと伝えると……
「えーっ! もったいなー!」
と毒太が言ってきたのです……。
手術当日のひどい留守番状態を見れば、家事も育児もできない毒太より、ママ友を頼るのは当然ですよね。そして頼りにならない毒太は、自身にとっての義父が亡くなったにも関わらず他人事のようにはしゃぎ、お父さんの無念を晴らしたいというより、慰謝料がもらえるはずなのに裁判しないなんて……と考えているようです。人の心に寄り添った考え方、発言ができない人が夫だと、瓜田チャリさんもしんどいですね……。