冷静に分析するパパは、この家に上がり込む方法は、待ち伏や合鍵を作る以外にもいくらでもあるので、義母がこの世に存在している以上何度も侵入されると言うのです。
私はずっとお母さんが生きている限り付きまとわれるってこと?
愕然とするママに、
「絶縁しかないんじゃないかな?」
と言って、パパは最後の手段を話し始めました。
パパが考えた、本気で義母と絶縁する策とは…?
義母と絶縁する案を切り出したパパは、
「菜々子にはまだ言ってなかったけど、実は上司から転勤の打診が来てるんだ」
と、初めてママに転勤の話を打ち明けました。
転勤先は本社の大阪。条件はいいものの、パパもママも関東から出たことがなく、愛菜ちゃんもまだ小さいうえ、本社勤務となると残業も増えるため、パパは断ろうと思っていたのです。
家族のことを考えて転勤の話を断ろうとしてくれたことをうれしく思うママ。
でも、ママの気持ちは決まっていました。
「私はあなたと愛菜がいれば、どこでも大丈夫。お義母さんと物理的に離れられるなら、これ以上うれしいことはないよ」
ママにとっては、住み慣れた土地を離れることも、実家に行きづらくなることも、もはやどうでもいいことでした。家族3人、穏やかに暮らすことを一番に望んでいたのです……。
すると、それを聞いたパパは、自分が考えた策をママに共有しました。ママの方もそこまで考えてるなら……と、パパの考えた策を実行することを決意。
一方、義実家では義母の電話が鳴り、「きっと菜々子さんからだ」と義母はウキウキしていました。
今日話した離乳食の件ね。
うふふ……今週2回も会えるんだ。
さっそく週末持っていかないと……。
そう思って開いたのに、メールには……
「離乳食いりません。これから先も引き続き家に来ないでください」
と書かれていました。
は? 断るなんて……どうして?
これ本当に菜々子さん?
ママからのメッセージに狼狽える義母。
そうとは知らない義父は義母に何度も呼びかけ、
「おい、母さん、メシ。早くしろ」
と夕飯の催促をするのでした……。
親と絶縁すると言っても、住所を知られていたら実行するのは難しいものがあります。しかし、転勤を機に引っ越して、新しい住所を教えず、知られないようにすれば……物理的に義母と離れることも可能になります。そんなことになっているとは知らず、再びママたちの家に行く気満々だった義母。また暴走しないといいですね……。