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動悸に息切れ、発汗、ほてり、声がれも…「更年期障害かと思ったら」まさかの病気だった!【体験談】

このごろ疲れやすいな……。ランニングスピードがいつもより遅いなぁ……。最初の気付きはこの程度の変調でした。通勤電車で立っているのがつらいので、帰宅の電車では必ず座るために何本か電車をやり過ごしていました。そのうち、声がかれ始め、発汗やほてりも感じるように……。もしかして更年期障害の症状なのかな? そう思っていたら、まさかの病気だったのです。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師駒形依子 先生
産婦人科 | こまがた医院院長

東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
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更年期障害についてリサーチ

ざっくりとしか理解していなかった更年期障害について、まずは調べてみることにしました。厚生労働省が管理しているe-ヘルスネットによると、更年期障害は「40歳代以降の男女の性ホルモン分泌量の低下が原因となる自律神経失調症に似た症候群」とあります。

 

また、女性の閉経前の症状としては、「のぼせや顔の火照り、脈が速くなる、動悸や息切れ、異常な発汗、血圧が上下する、耳鳴り、頭痛やめまい、興奮亢進、イライラや不安感、うつ、不眠など」と記載があり、私の症状とほぼ一致しています。

 

あぁ、やっぱり更年期障害かぁ。でも、病は気から! そう思って、いつも通りランニングでストレス発散に励みました。ストレス発散には適度な飲酒も必要よ!と友人との会食に出かけたりもして普通に過ごしていましたが、「最近、肌ツヤがいいね、なんか顔がテカってるよ! あと、ハスキーボイスがセクシーだよね」と友人から言われました。

 

友人の発したこの言葉がとても気になり、改めて自分の顔色をチェックしました。たしかに肌がテカっているし、声がかれている。なんでだろう?

 

通勤途中で動悸、息切れ、思わず倒れ込む

相変わらず声はガラガラ。でも喉が渇いているわけではなく、ただ声がかれているだけ。深酒もしていないし、カラオケに行ったわけでもないし、なんでだろうと不思議に思っていました。それでも、フルマラソンの大会には出場しました。しかし、いつもの調子が出ず、ものすごく時間がかかっての完走。

 

まぁそんなときもあるさと思い、次の大会のため、ストレス発散のために走っていたのですが、スピードが全然出なくて、10kmはいつも余裕で走っていたのに数kmで息が切れるし、走った後の動悸が尋常ではありませんでした。「春で気温が高くなったからかな? また涼しくなったころに走ろう」と、ランニングはしばらく休むことにしました。

 

そのころから、通勤途中の車内で立っていることができずに思わずしゃがみ込むことが多くなりました。そして相変わらずの声がれ、しかもひどくなっています。「そんなに声がかれるのはおかしいから耳鼻咽喉科で診てもらいなさい」と同居していた母に強く勧められ、近所のクリニックを受診しました。

 

 

思い込みによる自己判断で命の危険が

声がれの原因を探るため、内視鏡で声帯をチェックしましたが異常はありませんでした。そして先生が「念のため、血液検査をしましょう、1週間後に結果が出るので来てください」と言うので、1週間後に検査結果のため再診。すると、医師から「甲状腺の数値が振り切っていますよ。これじゃあ、動くのはつらいでしょう? 紹介状を書くのですぐに専門病院を受診してください」と言われました。

 

紹介された専門病院に受診して検査した結果、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう:バセドウ病)と診断されました。バセドウ病について厚生労働省の働く女性の応援サイトで調べてみました。甲状腺で甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、新陳代謝が活発になり過ぎて、体温の上昇、体重の減少、脈拍数の増加、動悸・息切れ、手の震え、落ち着かない、情緒不安定などの症状が現れると記載がありました。

 

私の症状はすべて当てはまっていました。特に、手の震え。仕事でペンを持つときにずっと違和感がありましたが、近年パソコンを使う作業のほうが多くなっていたので、気にしていませんでした。更年期の症状と似ているとの記載もありました。絶えず運動をしているような状態になるため、心臓をはじめ、さまざまな臓器に負担が掛かり、時には不整脈から心不全を起こすこともあるとのことです。

 

まとめ

更年期障害だと思い込み、ランニングなどの激しい運動をして危うく命を落とすかもしれない状況になっていたとは思いもよりませんでした。甲状腺機能亢進症は20代から30代に多い疾患なので、更年期世代にはすぐにはピンと来ないかもしれないです。私の場合は甲状腺が腫れて、声がかれたところが更年期障害とは一致しないとのことでした。

 

何事も更年期だからと片付けるのではなく、念のため早めにクリニックを受診しようと思いました。その後、服薬治療だけで甲状腺の数値は数年で落ち着き、またフルマラソン大会に出場するための練習に今も日々励んでいます。

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

イラスト/マメ美

 

 

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著者:cat herba

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