こんにちは、助産院ばぶばぶ・院長のHISAKOです。最近では早産で産まれてくる赤ちゃんも少なくありません。今日は、そんな早産の赤ちゃんの授乳についてお話しします。
早産児とは?
出生体重が2,500g以上でも、37w未満で出産すれば早産児です。消化吸収機能、腎機能、呼吸機能、体温調節機能、哺乳力、何をとっても満期産の赤ちゃんより未熟です。
36wで出産したら、出産予定日まではあと4週間近くもあります。ほとんどの早産児は、ママの乳頭を口にふくんでも、舌の巻き付けも、舌のうねらせる動きもできません。数回チュクチュクしただけで疲れて脱力してしまいます。
毎日少しずつ練習していこう
スタミナのついていかない赤ちゃんに、ハードルの高い要求を押し付けてもできるわけがありません。ママが頻回授乳と意気込んだところで赤ちゃんは眠りこけてばかり。授乳間隔が3時間未満に縮まることは至難の技難です。
搾乳できたら優秀。ほんの数秒でも赤ちゃんがじょうずに吸い付いてくれたらラッキー。毎日少しずつでも直母の練習ができれば上出来、ぐらいの気楽な気持ちでやっていきましょう。
ミルクに頼ることは悪いことではない
しかたなく、栄養の主体は搾乳かミルクになってしまいがちですが、それを「悪」だととらえないでくださいね。ママのがんばりが足りないからだ、と自分を責めないでくださいね。
あせって直母にこだわりすぎると、赤ちゃんは疲労困憊で搾母やミルクさえもじゅうぶん飲めず、哺乳量が確保できなくなって、ちっとも体重が増えない負のループに突入してしまうこともあります。
ママはあせらず赤ちゃんの成長を待とう
早産児ちゃんのママは、搾乳することで母乳分泌量を維持をしながらミルクも足して、赤ちゃんの哺乳能力の向上を待ってあげてください。人生には、どうにもならないことがあるんです。受け入れなければいけないことがあります。時期が来れば必ず問題解決への指南が見えてきます。それまであせらずじっくり待ちましょう。
生まれてからの発達、離乳食の開始などは修正月齢(出産予定日から計算)で判断するのが妥当です。生まれてくるのがせっかちだった子は、生まれてからはじわじわゆるやかに大きくなっていき、差し引きゼロに微調整していく、と考えてみたらどうでしょうか。
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門『助産院ばぶばぶ』を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2014年10人目出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。