親指が痛くて小さいものがつまめない
若いころから婦人科系の悩みには無縁だった私。生理痛はほとんどなく、2回の出産も超安産。「多分、私は更年期障害には悩まされないタイプだわ」と高をくくっていました。また当時としては遅い出産だったため、子どもたちが小学校に入学した40代は、年下のお母さんたちに混ざって奮闘する毎日。子どもたちが野球を始めるころには仕事も相まって多忙を極め、自分が更年期といわれる年代に差しかかっているという自覚はまったくなかったのです。
だから右手親指の付け根に痛みを自覚したときは、単に痛めたのだろうと思っていました。野球のユニフォームを毎日ゴシゴシ洗っているから、お当番で重たい荷物を運んだから、と。でも、痛みは治まるどころか悪化する一方。次第に利き手ではない左手の中指、薬指も関節が腫れて痛むようになったのです。
ボールペンを握って字を書くのが痛い。少し残った歯磨き粉のチューブを絞るのが痛い。しょうがをすりおろすのがつらい。洗濯ばさみをつまめない……こうしてだんだんと、家事や生活に支障が出るようになってきたのです。
女性ホルモンの低下が一因で指に3つも病気
さすがにこれはおかしいと、次に心配したのはリウマチ。早速、整形外科を受診してレントゲンと血液検査を受けたところ、医師から告げられた言葉はリウマチではなく「更年期障害」 でした。えっ? 更年期障害で指が痛くなるの? 知らなかった! ついに私も更年期を認める日が来てしまった!
右親指の付け根は、軟骨がすり減り亜脱臼していました。左手は、薬指の第二関節と中指の第一関節が腫れている状態。ついた病名は、右親指が「母指CM関節症」、左薬指が「ブシャール結節」、左中指が「へバーデン結節」でした。
原因はホルモンバランスの乱れと老化と言われました。女性ホルモンの低下に関係があり、更年期の女性に起こりやすい症状とのこと。代表的な更年期女性の指の症状を、3つ発症していたそうです。更年期障害だけでもショックなのに老化って……。
また右親指の亜脱臼に関しては、オーバーユースも一つの原因と言われました。家事で手をよく使う女性は、中高年になると軟骨がすり減り関節に痛みが出てくるそうです。私は野球のユニフォームをゴシゴシ洗ったり、重いジャグ(飲み物を入れる水差し)を運んだりする日々が12年続いたからなと、少し納得した気持ちにもなりました。
固定して安静に。治らなければ手術も?
医師からは、痛みがひどいときは包帯で固定して安静にするようにと言われました。痛みが良くならない場合は関節に注射を打ったり、手術をすることもあるそうです。でも、主婦が1日中包帯をして安静にしているわけにはいかないし、ましてや利き手を手術したらしばらく家事ができなくて困ります。リハビリも大変とのこと。現実的な方法ではないと思いました。
私の場合、左手は腫れて痛いけれど生活に大きな支障はない。困っているのは右手です。改めて調べてみると「母指CM関節症」で悩んでいる方は多いようで、親指を保護するサポーターや固定する装具がたくさんあります。包帯より手軽なので、早速数種類を購入。しっかりと固定すると、つまむ動作が少しラクになります。
長年続けているヨガの先生に相談したところ、年齢を重ねたら手指のお手入れを丁寧にする必要があるとのこと。たしかに握る動作は日常的におこなうけれど、指を反らすことがあまりありません。ヨガで体幹や脚は鍛えていたけれど、指に不調が来るとは。呼吸をしながら手のひらや指、腕をほぐすワークを教えてもらい、毎日丁寧にお手入れをしています。
まとめ
最初に痛みを感じてから5年。現在は左手指の炎症はひと段落し、腫れがだいぶ引きました。ただ右手親指は今もまだ痛いです。子どもたちの野球が終わり洗濯の負担がなくなったので、一番痛かったころに比べれば良くなりましたが、亜脱臼が自然に治ることはないのでしょう。今後痛みが強くなれば、注射も考えることになりそうです。日常では左手をなるべく使うようにしています。洗濯ばさみも左手でじょうずにつまめるようになりました。
典型的な更年期症状のホットフラッシュなどはまったくないのに、手指に強い症状が出た私。どうやら更年期障害は手強い相手のようです。これからはサプリメントなども試して、乗り切っていきたいと思います。
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※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/サトウユカ
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