不正出血の原因は?
高校生のころ、頻繁に不正出血を起こしていた私。ずっと「何かの病気では?」と気がかりでしたが、高校生の身では親に「産婦人科へ行きたい」と容易に言えず……。高校卒業後、ようやく婦人科を受診することとなりました。
検査をした医師の診断は「たぶん多嚢胞性卵巣症候群ですね」とのこと。確かに超音波検査で卵巣内を見ると、たくさんつながった卵胞が映っていました。そして不正出血を止めるための止血剤を処方されたものの、症状を根本から改善する薬ではないため、出血は止まりません。私は再び病院で診てもらうことにしました。
そして処方されたのが、2週間分の中用量ピルと排卵誘発剤。医師の説明によれば、ピルを飲むと不正出血が止まり、生理に似た消退出血が始まるため、5日目に排卵誘発剤を飲めば次回の生理もちゃんとくるとのこと。実際、指示通りに中用量ピルを飲むと不正出血が止まり、次の生理もしっかりきました。
しかし、喜んだのも束の間、またしても不正出血が! ここから、不正出血が起きてピル+排卵誘発剤を服用し、また不正出血が起きてピル+誘発剤を飲む……というループに悩まされることになったのです。そのため、医師の判断で途中から中用量ピルを高用量ピルに切り替えて服用するようになりましたが、それでも不正出血は治りません。
今度は結節性紅斑が発症!
19歳で始めたこの治療を26歳の冬まで続けたころ、突然、体に異変が起こりました。着替えもできないほど、とにかく全身の関節が痛むようになってしまったのです! 足にはアザのようなものもできていていました。
病院へ行ったら、「結節性紅斑ですね」と言われました。それも「かなりひどそうなので今から2週間の入院をしたほうがいいですね」とまで言われてしまったのです! ただ、仕事が忙しく休暇を取るのが難しかった私は、毎日の通院を条件になんとか了承を得て、仕事へ行きながら治療をすることになりました。
結節性紅斑は、飲むステロイドと痛み止めで徐々に治まりましたが、ひとつだけ気になることが……。
私は薬のアレルギーが出やすい体質。咳止めのフラベリックで音が半音低く聞こえたり、マクロライド系の抗生剤で皮膚疾患が出たり。歯科医院ではキシロカイン系の麻酔で動悸や痺れが起きましたし、耳鼻科で処方された薬でも副作用が出たことがあります。そのため、今回も高用量ピルの副作用を疑ったのです。
薬剤師や医師には「これまで何度もピルを服用していて副作用が出なかったのなら、それは違うのでは?」と言われました。それでもお願いしてアレルギー検査をしたところ、半々の確率での検査結果になりましたが、高用量ピルのアレルギーである可能性が高いとの結果が出ました。すると、その結果を受けて医師から「ピルの服用はもうやめたほうがいい」と言われてしまったのです。
思い出した医師の言葉
「この先、ピルなしで不正出血をどう対処していけば……」と悩んだ私は、医師に相談。「漢方やホルモン注射の治療法もあるので考えてみては」とすすめられましたが、私の中であまり薬には頼りすぎるのも……という気持ちもありました。どうしたものと思っていたところ、以前、医師から聞いたある言葉を思い出します。
「多嚢胞性卵巣症候群は、実は痩せすぎの子に多いんだよ」
自分の体について改めて考えてみると、太らない体質だったこともあって、もともと体型は痩せ気味。BMIが15~16台だったこともあります。「体重が増えたら何かが変わるかも……」と思い立ち、医師に相談して私は体重を増やすことにしました。
もともと偏食気味の私は、野菜ばかりを食べていてお肉などはあまり食べていませんでした。そこで栄養バランスの整った食事に切り替えたところ、少しずつ体重が増えていき、ある体重を越えた月から正常に生理がくるようになったのです!
さらにうれしいこともありました。私は30歳を過ぎて結婚したのですが、妊娠には不安がありました。それがまさかの入籍1カ月後に妊娠が判明! 多嚢胞性卵巣症候群は無排卵なことが多いと言われている中、自然妊娠できたのです。
今も自分の基準体重を下回らないよう気をつけながら生活を送っていて、BMIは18~19をキープしています。
本当に痩せていてBMIが15~16台だったころの私は、ずっと生理不順でした。数年にわたる多嚢胞性卵巣症候群での治療も、よくなりたい一心で、無理をしながらピルや排卵誘発剤を飲んできましたが、「もっとその前にできることもあったんだ」と、今になって気づきました。
私は今、筋トレやストレッチをして筋肉をつけながら、基準体重を下回らないよう体重やスタイルをキープしています。今のところ、生理は順調です。通院して医師に相談しながらにはなりますが、未来の自分、未来の赤ちゃんのために何が大事かよく考えて、これからもできる範囲で体を労っていきます!
監修/助産師 松田玲子
文/なかゆりさん
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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