ある日、家族でショッピングモールにでかけたときのこと。フードコートで食事を注文し、到着するのを待っている間、妻は息子のおむつ替えのため席を外しました。そして席に戻ると、息子とシェアして食べようと思っていたうどんを、夫が勢いよくすすっていたのです。
妻に責め立てられても、反省の色がまったくない夫。「また買いに行けば? カツ丼まだあるからこっち食う?」と自身で注文した食べかけのカツ丼を指差し、あっけらかんとしていました。
混み合っているフードコート。行列のうどん店と食べかけのカツ丼を前に、「あんたが買いに言ってよね!」と妻は声を荒らげました。
その後も、妻は事あるごとに訴え続けましたが、夫の自分勝手な行動は変わることはなく……。
怒りを通り越して、悲しみが…
夫に変化がないまま、数年後。小さかった息子も5歳になりました。
夫の行動に変化はないものの、妻は夫に対し、以前のように声を荒らげることはやめていました。
そんなある日、スーパーで「みんなで食べられるから!」と、たくさん入った棒アイスを選び、食べるのを楽しみにしていた息子。
その日、妻と息子で1本ずつ棒アイスを食べ、夫は帰りが遅かったため、息子は「明日パパにあげる」と眠りにつきました。
翌朝、冷凍庫を開けると……。
入れておいたはずのアイスは、袋ごとなくなっていました。妻は夫に尋ねます。
さすがの妻もブチ切れ寸前。すると息子が夫に声をかけました。
「せめて息子のものくらいは我慢してほしい」そんな気持ちで、妻は夫に話を切り出しました。
そして夫は逃げるように、寝室に引っ込んでしまいました。
息子が5歳になったある日。「みんなで食べられるから!」と、スーパーでたくさん入った棒アイスを選び、食べるのを楽しみにしていた息子。
帰宅後に妻と息子で1本ずつ棒アイスを食べ、仕事で帰りが遅い夫に息子は「明日パパにあげる」と眠りにつきました。
しかし翌朝、冷凍庫を開けると、棒アイスは袋ごとなくなっていたのです。
「まさか……」と思った妻が夫に尋ねると、「ママも息子も食ったんだろ? 俺も昨日の晩、食ったよ」との返答が。
息子が「みんなで食べよう」と楽しみにしていた棒アイス。夫の言葉に妻がブチ切れそうになると、息子が夫に声をかけました。
「パパ全部食べちゃったんだね! おなか空いていたの? あげようと思ってたから、いいんだ! また買ってくるね! 今度は一緒に食べようね」
夫が5歳の息子に諭される姿を目の当たりにし、情けなくなる妻。
「息子の前で夫を怒らないようにしていることで、息子が『そういうもの』と思ってしまっているのでは?」と、不安に駆られます。
「子どものものを勝手に食べちゃうってありえないからね」と、落ち着いたトーンで夫に伝える妻ですが、「だって……」と言い訳する夫。
「悪かったと思ってるし、もう言わないでよ」
そう言って逃げるように寝室に引っ込んでしまいました。
妻は、「こっちのストレスにならないよう、どうにか頑張ろう」と、夫に対して諦めを感じているのでした。
夫より何倍も大人な息子。楽しみにしていたアイスがなくなっていたにもかかわらず、怒ったり泣いたりすることもなく、「また買ってくるね。みんなで食べるとおいしいよ」と夫を諭しました。妻が心底情けなく感じるのも当たり前ですよね。
皆さんは、わが子が「大人だな」と感じた瞬間はありますか?