数年後、息子が5歳になったころ。夫の行動に変化はないものの、妻は「私が我慢すれば丸くおさまる」と考え、夫に対して以前のように声を荒らげることはやめていました。
ある日、「みんなで食べられるから」とたくさん入ったアイスを選んだ息子。毎日1本ずつ、家族3人で食べようと楽しみにしていましたが、夫は妻と息子が就寝中に、アイスをすべて食べてしまいました。
さすがの妻も頭に血が上りますが、息子は冷静に、「おなか空いていたの? あげようと思ってたからいいんだ! また買ってくるね! 今度は一緒に食べようね」と夫を諭したのです。
情けなさで涙が出そうになる妻。夫も「反省している」とは言うものの、その後も悪いクセが治ることはなく……。
悲しみにくれる息子…
夫に対しては諦めにも似たような感情の妻。時折イライラさせられるも、なんとか気持ちを落ち着かせながら過ごしていました。
数年後、小学生になった息子は、学校からミニトマトの鉢を持ち帰ってきました。
翌朝になり……。
小学生になった息子は、学校からミニトマトの鉢を持ち帰ってきました。
「サラダにして食べる?」と妻が尋ねると、「観察の宿題があるから、明日観察してから食べる!」とうれしそうに答える息子。
自分が育てたミニトマトを食べるのをとても楽しみにしている様子でした。
翌朝、「ミニトマトに水あげるんだ」と意気揚々と早起きした息子。そんな様子に妻も関心していました。
しかし、妻の元へ戻ってきた息子は、顔をこわばらせ、悲しそうな表情でつぶやきます。
「あのさ、あの……トマトなかった……」
妻が急いで確認しに行くと、トマトはなくなっていて、ヘタだけがまわりに捨ててあったのです。
「鳥が食べちゃったのかもね。でもまだ緑の実があるから、また実がなるよ! 次は食べられないようにネットかけとこうか」
妻は慌てて、息子をフォローしますが、鳥ならば実をそのままつつくはず。妻は嫌な予感がするのでした。
まさかとは思いますが、妻の予感が当たらないことを願うばかり……。一生懸命トマトを育て、食べるのを楽しみにしていた息子の気持ちを考えると胸が痛いですね。
妻が楽しそうにトマトを育てる息子の様子に驚いていたように、子どもは、学校などの外の世界でさまざまな刺激を受け、知らない間に成長しているなんてことがありますよね。皆さんはわが子の成長に驚いた出来事はありますか?