夫に対しては諦めにも似たような感情の妻。時折イライラさせられつつも、なんとか気持ちを落ち着かせながら過ごしていました。
数年後、息子は小学生に。
学校から持ち帰ってきたミニトマトの鉢植えを「明日、観察の宿題を済ませてから食べる!」と楽しみにしていました。
しかし翌朝、ミニトマトはなくなっており、ヘタだけがまわりに落ちていたのです。
顔をこわばらせ、涙目になる息子をなだめ、「鳥が食べちゃったのかもね」とフォローする妻。
しかし、鳥ならば実をそのままつつくはず。妻は嫌な予感がしていました……。
嫌な予感は的中してしまい…
息子が寝たあと、夫に尋ねてみると……。
「昨日……夫は酔っ払って帰ってきて、朝方に出かけたけど……まさかそんな……」
どうしても疑心暗鬼になってしまう妻は、夫に尋ねてみることに。
「庭にあったミニトマトの鉢あったでしょ。息子が育ててるんだけど、なってるトマト食べたりした?」
「あー……酔っ払ってて……でも冷蔵庫の中に食いものなかったらから。トマトはまたなるだろ?」
平然と答える夫。
「やっぱりお前か〜!!」
怒鳴りつけたい気持ちを抑え、妻は冷静に話そうと努めます。
「子どものもの勝手に食べるのはありえないって前にも言ったよね」
息子が赤ちゃんのころから、息子のおやつなどを食べてしまっていた夫。
「息子は今日、トマトを収穫するのをすごく楽しみにしてたんだよ?」
冷静に夫に話しますが、夫は「知らなかったし。庭になってるものは食っていいって普通思うだろ」と、バツが悪そうな表情ではあるものの、反省の色は見せません。
そして、「酔っぱらってたらいろいろ食べたくなるし。すぐ食えるもの準備しておいてくれたらよかったんだよ」と開き直るのでした。
息子が大切に育てていたミニトマトがなくなっていたのは、やはり夫の仕業でした……。素直に謝ればいいものの、「すぐ食えるもん準備しといてくれたらよかったんだよ」と、妻に責任があるかのような言い方をして、目も当てられません。
内心、怒りに満ちている妻ですが、冷静を保つよう努めました。しかし、子どもが楽しみにしていたものまで食べてしまうのは、さすがに許せない様子。妻は今まで、夫の悪い癖をある程度は許容しています。妻の気持ちを理解し、子どものことを考え、夫には我慢してもらいたいものですね。