なんだか嫌な予感が…
数々の相談者を成婚にまで持っていくことができ、結婚相談所の中でも腕利きのカウンセラーだといわれているパニ子。ある日、所長からパニ子に新規のお客さんを担当させたいと言われました。
パニ子が勤めている結婚相談所では、本人と面談をする前にWEBで簡単なプロフィールと結婚相手の希望を入力してもらっているのだそう。新しいお客さんとの面談を前に、パニ子がプロフィールを確認してみると、気になる点がありました。
パニ子が気になったこと、それはお客さんの年齢が49歳だったということ。というのも、この結婚相談所では年齢制限を設けており、女性の年齢上限は39歳なのです。
所長に入力ミスなのではないかと確認したところ……「私の結婚を邪魔する気か!?」とごねられてしまい、断りきれなかったのだとか。
パニ子はなんだか嫌な予感がする……と新しいお客さんに対して、少しだけ不安な気持ちを抱いてしまいました。
もしかしてモンスターカスタマーなのでは?
新しいお客さんであるハツミと面談をすることになったパニ子。ハツミは席に座るなり、パニ子にあいさつをすることもなく、理想の男性像を語り始めました。
ハツミの男性に対する希望は「年齢25歳以上35歳未満で、年収は1千万円以上」「転勤のない職場に勤めている人がいいわね」「長男は不可。親の介護と同居はなし」「子どもなんていらないって人がいいわね。でも専業主婦させてくれないと困るわ」というもので、すべてを兼ね備えている男性などなかなか見つかりそうにはありませんでした。
パニ子が順を追って話をしようとするも、「そんなグズグズしてられないわよ!」と話を聞く様子はありません。
さっさと自分の要望に合った男性を紹介するようにハツミは言いましたが、この結婚相談所では年齢制限があるため、男性からの要望は39歳以下の女性ばかり。49歳のハツミを希望している男性など、現状では存在しませんでした。
それにパニ子は年収1千万円以上もらっている35歳未満の男性が、49歳で子なし介護なし転勤なし専業主婦希望の女性を選ぶことは今までの経験上、なかなか難しいように思いました。
そこで希望を変更するように伝えましたが、ハツミは「次回の面談までに35歳未満の年収1千万円を探しておきなさいよ! もちろんイケメン限定でね!」と言い、その場から去ってしまいました。
なんて侮辱的な人なの!
1カ月後、結婚相談所にはカウンターをバンバンとたたきながら叫び散らかすハツミの姿が。どうやら「どうしてまだ私の結婚が決まらないのよ!」と怒っている様子でした。
パニ子はハツミの要望を満たす男性がいないか必死になって探しましたが、そもそも35歳未満で年収1千万円の男性なんてほぼほぼ存在していませんでした。なんとかハツミの条件に近い男性を見つけ、ハツミのことを紹介するも……ほとんどの男性はプロフィールと写真を見ただけでハツミとは会ってくれません。
そんな中、やっと1人の男性と顔合わせにまでこぎつけたのですが、ハツミは「年収1千万のはずが800万円じゃない! 200万円も足りないわよ!」と怒り心頭。挙げ句の果てには「まったく結婚相談所にはろくな男がいない!」と言いだす始末でした。
パニ子はすべての条件を満たす男性はいない、条件を変えてくれと説得したのですが……パニ子に対しハツミは「あなた、私がイケメン高収入男と結婚するのがねたましいのね?」と言い、まるでパニ子が意図的にマッチングをさせていないかのような発言をしたのです!
パニ子はカウンセラーを信用できないのであれば退会するように勧めました。するとハツミは退会なんでできないと言いました。
聞けばハツミはいろいろな結婚相談所で同じような無理難題を言い、どこも取り合ってくれなくなってしまっていたのです。そのため、ハツミは何としてでもパニ子に結婚相手を探してもらわなければならない状態でした。
もう諦めてもらうしか…
もうどうすればいいのか悩み、投げ出したい気分になってしまったパニ子。所長に事の顛末(てんまつ)を話、担当を外してもらうことになりました。
半月後、結婚相談所主催の婚活パーティーが開催されることに。そこにはハツミも参加することになっており、他の若い婚活女性と肩を並べたときに自分がどう見えるかを知ってもらって、現実を見てもらおうと所長は企てているようでした。
パーティーが始まり、パニ子が会場内を歩いていると……まさかのハツミに捕まってしまいました。パーティーに参加している男性は自分の好みの女性にアプローチしているようで、ハツミには誰ひとりとして近寄ってきません。
それが不満な様子のハツミ。パニ子は自分から話しかけてみてはどうかと提案しましたが「こっちからいくなんてみっともない!」とハツミは拒否。
所長を連れて来いとうるさくて仕方がなかったので、パニ子はその場を離れて所長を呼びに行きました。
パニ子が会場を離れたのはたった数分間。その間になんとパーティー会場は大騒ぎに!
会場の中で、男性たちが何人も群がっているグループができ上がっていたのです。ハツミはその周辺で「一体どうしてあんたたちは私のほうを見ないのよ!」とほえていました。
輪の中心にいたのはまさかの
男性たちに取り囲まれていた女性を見たパニ子はびっくり! なんと輪の中心にいたのはパニ子の母親だったのです。
パニ子の母親は既婚者のため、婚活パーティーに参加するはずなかったのですが、パニ子に忘れ物を届けに来たところ参加者だと勘違いされて会場に案内されてしまったのだとか。
会場内でパニ子を探していると何人かの男性から声をかけられ、話をしている内にどんどんと男性が集まってきてしまったそう。そんな姿を見たハツミは自分と同い年くらいの女性があんなにも人気なのに、どうして自分には誰も寄り付かないのかと怒っていました。
既婚者であるパニ子の母親に退場するようハツミは促しましたが、なんと男性たちから「出て行くならお前が出て行け! 俺はお前なんかよりこの女性と話をしたい!」「無理に年下ぶって変な若作りするような女はお呼びじゃない!」と逆に追い出されそうになってしまいました。
そして男性たちはパニ子の母親を大絶賛し、もう他の女性では妥協できない! と会場を出たパニ子の母親の後を追って行ってしまいました。
結局、ハツミは結婚相談所を退会することに。他の結婚相談所にはもう入会できないようですし、これからは自分で頑張って結婚相手を探すしかありませんでした。
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結婚は一生のことですから、どんな相手と人生を共にしたいかちゃんと考えなければいけません。ハツミのように横柄な態度で高望みをしていると結婚相手どころか、話し相手になってくれる人ですらいなくなってしまうかも。誰に対しても敬意を持ち、謙虚でいることが大切なのかもしれませんね。
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