翌朝、夫が息子のお菓子を勝手に食べたことに気がついた妻は、内心怒りが爆発。今回ばかりは到底許すことができないと、起きてきた夫を問い詰めます。
しかし、「あーそうなの? あったから食っちゃったよ!」と悪びれる様子もない夫。感情的になると夫もムキになり、最終的に夫が逃げ出す、というのがお決まりのパターン。イライラを押し殺しながら、「息子に謝ってね」と伝えました。
息子に謝りに行った夫ですが、あろうことか「あんなところに置いておくのも悪いんだぞ? パパが子どものころは、おやつを放置していると兄弟に食べられていたんだ」と、まるで息子が悪いかのように、息子に話したのです……。
夫の話に固まる息子。あまりに身勝手な言い分に、怒りに震える妻は……。
兄弟そろってあきれる言い訳に…
今まで怒った姿など見せたことのない義妹。冷え切った声に、その場がピリつきますが、息子には、いつものにこやかな笑顔を向け、語りかけました。
「言うことに欠いて『置いておくほうが悪い』だとぉ……!?」
怒りに震える妻ですが、気になるのは息子の反応。すると息子は、「袋……僕が開けたかったな……」と悲しそうに呟きました。
「もうダメ……こんなの耐えられない……キレそう!!」
妻の怒りが爆発しそうになったところで、「あの、お義兄さん」と義妹が声を上げました。
「すみません、話がきこえてきて。今のって本当ですか?」
「うん、そうそう。ごめんねー」
相変わらずケロッとしている夫は、義弟に話を振りました。
「つか、お前も食ってたろー?」
「あー……ごめんね、息子くん。誰のかわからなくて」
義弟も軽いトーンで、息子に謝ります。そして、「自分たちの幼少期は食べ物を奪い合っていて大変だった」と、お互いの食い意地で盛り上がる始末。すると、義妹は……。
「いや、どうして笑えるんですか?」
真顔でふたりに問いかけます。いつもやさしい義妹の冷え切った声に、その場がピリつき、男性陣も動揺している様子。義妹は、いつものにこやかな笑顔で振り向き、息子に語りかけました。
「ごめんね息子くん」
「ううん、僕はいいよ」
「そういうわけにはいかないよ〜」
義妹は息子が許そうと、盗み食いしたふたりを許すことはないのでした。
妻がキレる前に、静かで激しい怒りを見せた義妹。穏やかな性格の人の、冷え切った声ほど怖いものはないですよね。
「自分が子どものころは食べられても仕方なかった」という話で、今回の盗み食いをうやむやにしようとしていますが、まったくのお門違い。盗み食いがよくないことは大前提ですが、楽しみにしていた息子の気持ちを裏切ったことに問題があります。食べてしまったからには、心から息子に謝り、息子の気持ちが少しでも救われることを願うばかりです。